コロナでぶくぶく太り、運動嫌いの自分もさすがにヤバいと思い、5月頃から週に2-3回、15分のウォーキング+15分のランニング(5-6km)を始めた。
運動の中でも取り分け走ることが嫌いで、ほぼ学生時代のマラソン大会以来の試みだった。
目標は、3ヶ月以内に5kmを走れるようになること。
2ヶ月経ったが、10分のウォーキング+20分のランニングがやっとだった。翌日、翌々日まで筋肉痛が残るし、膝も痛くなるし、何より息が続かない。
加えて生来のだらしなさから、天気や筋肉痛を言い訳にサボることもあった。
あと1ヶ月じゃ到底目標達成は無理だな、と思った。
ぱっと出演作を列挙出来るわけでもなく、特別ファンでもないが、見ていて不快になることなんて無かったし、きちんと演技してる印象があったので寝耳に水だった。
今まで顔と名前は一致する、程度の認識だった同じ世代の、一見順風満帆の彼の訃報は悲しみというよりもショックだった。
故人を惜しむ声は真面目さ、誠実さ、優しさ、ストイックさで溢れ、自粛期間をいいことに、呑気に鼻をほじりながらゲームや漫画に明け暮れていた自分を恥じた。
久しぶりに晴れたので外に出た。
いつも「早く終われ、早く終われ」と願いながら走っているが、今回は件の俳優さんを頭の片隅に、「もっと頑張れ、彼はもっと頑張ってたんだ」と言い聞かせた。
嘘のように呆気なく、歩くことなく5kmを完走できた。
たかが5kmされど5km。自分にとっては到底なしえないと思っていたことがいとも簡単にできた。
嬉しさと同時にどれほど甘ったれた考えでいたのか思い知らされ、また自分を恥じた。
走り切った後、縁もゆかりもないけど、彼の分も頑張って生きていかないとならないと勝手に思った。
心よりご冥福をお祈りします。