中学高校時代も当時流行ってたブランドを身に着けたオシャレな子としてそこそこ評価され、
大学から20代前半くらいは稼いだ金の大半を服に注ぎ込んできた。
オシャレな自分に自信があった。
大学あたりからは雑誌も読まなくなった。自分のセンスと好きな服だけで生きていけると思った。
自分の手持ちの服が割と質が良くて丈夫だったので、シーズン毎に数枚、ザラや近場の店で好きな感じの服を買い足しながら、あまりにボロボロになった昔の服は捨てるような運用をしていた。
でもこのあたりから本当は何を買って良いのか分からなくなっていた。
昔の服はどんどん古くなって捨てるしかなくなり、ザラの服はワンシーズンで着るのも恥ずかしいくらい流行遅れのデザインになるように感じて、着られる服がクローゼットからなくなってしまった。
そんな状態で30代を迎えた。
いい服を買い足すのは簡単だ。どこで買えばいいか知っているから。
だけど昔のように服にお金を全振りするような無謀なことはできないので、伊勢丹で値札を見て溜息をつく羽目になる。
伊勢丹レベルの価格帯が無理なら、せめて2、3万くらいのスカートを買いたいとたまに代官山なんかに行っても、大学の頃に憧れたようなお店はなくなっている。
当時買っていた店だって潰れたり、リニューアルして雰囲気が変わったりしている。
あんなに通った代官山が、原宿が、渋谷が、自分の知らない街になってしまった。
知らない街の知らない店に入ることが怖くなっている。
このブランドはどこの何だろう。いくらくらいの価格帯なんだろう。いくつくらいの人を対象にした店なんだろう。
無難な服を着たいのではない。
好きな服を着たい。
それがどこにあるのかも分からなければ、
着こなせる体型を維持できるのかも分からない。
好きな服を着るなら、似合わないと意味がない。
FUDGE読んでユニクロとハニーズ たまにしまむらを見に行くけど下着くらいしか買わない