明治初期に成立したこの文学には令和にもフォロワーが多く、人気ジャンルとなっている。
物語のキャラクター性にデカパイを加えるだけで千変万化するこのジャンルへの関心はなおさら高くなっている。
さて作劇の都合上、ここで二人の猟師が登場する。
ある2人の若い淑女が猟犬を連れて山に狩りに出掛けた。しかし、待てども暮らせども何の獲物も出てこなかった。
あまりの山の奇妙さに、案内人とははぐれ、猟犬は泡を吹いて倒れてしまう。
「何の獲物も捕れず、犬も失うとは大きな損失だ」と下山を決意した2人の前に、突然、立派な洋館が現れる。
「ただでうまい料理が食べられそうだ」と腹をすかせた2人は「デカ乳亭」の中に足を踏み入れたのだった。
入った2人を待っていたのは「デカパイや若い人は大歓迎」という看板。これを見たナイチチは「これはセクシュアリティへの差別であり、到底容認できるものではない。裁判にて決を取ろう」といい、腹が減っていたデカパイに連れられる形で踏み込んだ。
進んでも進んでも店の中は広く、なかなか奥までたどり着かない。
そのうちに「髪をとかして泥を落としてください」「鉄砲を置いてください」「服とブラとをお脱ぎください」などの指示が現れた。
「これはよほどエロい人が来ているに違いない」と都合よく解釈し、指示通りにしていく。
しかし、最後の指示は「二人でバージンオイルを塗り合え」というもの。
さすがの2人も自分たちがレズビアンを強要されていることに気づき、作品のコンプライアンス的問題に気付いてガタガタ震えだす。
おしまいには淑女百合を見れなかった猫が喚いて終わると言うものである。
こうしたデカパイ小説は30分ほどでかかれることも多いため、荒が多い。
しかし、そうしたあらを愉しめることがデカパイ文学者には求められる資質である。
以上。