2020-05-03

2011年1月27日ニシンコロナ日本破綻予言されていた

https://www.tachibana-akira.com/2011/01/1800/3

金融危機とそれにつづくハイパーインフレで、私の実家も妻の実家も、祖父母年金だけは生活できなくなった。そのうえ父と義理の父がリストラされ、路頭に迷ってしまった。それで田舎に3軒の家と農地格安で購入し、一族が肩を寄せ合って暮らすようにしたのだ。同じようなケースはほかにも多く、日本大家族制に戻りつつあった。

東京駅前には、赤ん坊を抱いた物乞いの女たちが集まっていた。その枯れ枝のような細い腕を掻き分けて改札を通り抜けると、5000円のビールつまみを買ってあずさグリーン席に乗り込む。平日は都心ワンルームマンション単身赴任し、週末に家族の待つ田舎に戻る生活を始めて1年になる。

プルトップを引いて、冷たいビールを喉に流し込む。この週末は、失業した妻の弟が、いっしょに暮らせないか相談に来ることになっている。娘の進学問題も頭が痛い。将来に不安がないわけではないが、泣き言はいえない。いまや一族の全員がわたしを頼っているのだ。

中国語ハングルアラビア文字ネオンサインが、新宿の夜空をあやしく染めていた。青白い月を眺めながら、いつしか浅い眠りに落ちていた。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん