大学生の時にできた初めての彼女は韓国出身だった。かなり逞しいというか負けん気の強い子で、学校の課題グループをきびきび引っ張って進めるような性格。僕の方から惚れて何度も告白し、ようやく付き合ってもらえることになった。
いわゆる整形顔でもなく、芸能人のように美人というわけではなかったが、とにかく僕にとっては最高の時間だった。初めての恋愛だったこともあるとは思う。
最高に近い彼女には、僕にとって気になるところが二つあった。
食事で音を立てても気にしない(いわゆるクチャラー)ところと煙草を吸いながら唾を吐くところである。
お国柄・文化の違いなのか彼女個人の問題なのか、知り合いに他の韓国の方が多いわけでもないからわからなかったが、とにかく僕はその二点だけは本当にやめてほしかったんだけども、何度注意しても笑って聞かないような子だった。Sだったのかもしれないし、僕自身もそういう欠点を差し引いても好きなので仕方がないというか、とにかく目を瞑って付き合っていた。
繰り返しになるが、彼女と付き合っていた時間はやはり無条件に幸せだったと思う。
過去形で書いている通り、それとは関係ないことから別れてしまい、僕もその後の人生で数人と恋愛関係を持った。
ただ、誰しも素敵な女性や彼女に元カノの面影を重ねてしまうことはあるだろうが、僕の場合は綺麗に物を食べる子や煙草を吸わない子を見ているとどうしても彼女を思い出してしまう。元カノと比較するなんて最低だとはわかっているが。
それも、そういうところが元カノより良いなと感じるのではなく、やはり元カノとの時間は楽しかったなと、つまりいい記憶として思い出してしまう。トリガーはいつも僕が苦手だった二点なのに。
黒炎鬼うんち