薬を飲み忘れた日の夢はいつも怖くて、あまりに怖いので書いておきたくなった。
今回見たのは
終戦間近に命を散らした特攻隊の苦しみを描いた映画を見て怖かった
という夢だ。
なんかね、零戦ではなく、小さなロケットみたいな潜水艦に数人で乗るの。
遠方から弾を撃って敵を駆逐するんだけど、一号機の出撃が思いの外上手くいって、次号機をつくるときに製作陣が欲をかいたの。機動性とか推進力をもっともっと極限まで追求しようってことで、もうそりゃ狭いスペースにぎゅうぎゅうづめに四人くらいの人が縦一列に並んで座らされるわけ。そんでものすごいスピードで出撃するんだけど速すぎるの。あまりに速すぎて、艦がもう形を保てなくなってくるわけ(このへんからわたしの物理学的見識が少年漫画並であることが発露しはじめる)。艦内の気圧が(なぜか)急激に下がり始め、中の乗組員は圧迫されはじめる。加速とともにどんどんつぶされてゆく艦体。それでもますます加速する潜水艦はついに限界を超え、ばらばらに壊れ始める。それと同時に乗組員の身体もばらばらに砕かれる。時間にしてわずか数秒。乗組員は自分達がどうなったのかもわからないまま、血と肉片と骨片とに砕かれて海中に散りばめられてしまう。その数秒間のすさまじい痛みや恐怖を数十分にもわたって克明に描写する映画。
実はそうなる可能性が決して低くないというのは乗る前からわかっていて、いまわの際に彼らは走馬灯の中で上層部の老人達に同じ苦しみを味わわせてなぶり殺す。しかし現実にはもちろん老人達は生きていて、今なお若者達の血と肉の上にのさばり続けている。
この老人達は実在の人物で、映画を見終わったわたしたち観客はその足で老人達を殺しに行く。そうするのが自然だからだ。しかし結局それは彼らの奸計で実現しなかった。何も変わらない。乗組員達の痛みはわたしたちの痛みとしていつまでも身体に染み込んで抜けない。
それ怖い映画じゃなくてギャグ映画じゃね? 増田なんてみんな自分が一番だと思っているから登場人物もゴミみたいっていつも嘲笑ってそうだし。
目が滑る