和「映画、SNSの方でじわじわと広がってるみたいだな、おめでとう」
上「ありがとう。もともとは君の作品から着想を得た作品だったのでこの栄光の一部は君のものだと思っている」
和「何を言っているんだ。映画を見たけれども完全に君の作品だよあれは」
上「このまま行けばヒット間違いなしだ。その時には君のあの作品にもスポットがあたるに違いない。そのときに一緒に・・・」
和「そのことなんだが、正直このままヒットするかどうかは疑問だと思う。
映画のヒットは大規模な広告費と豪華出演陣と相場が決まっているからな。
低予算でどこぞの映画賞をとったマニアックな映画がヒットするには、それこそ地道なネット戦略などが必要だろう。
しかし正直ネットには日々新しい情報が流れ込んでいる。じわじわと口コミで大ヒットなんていうのは虫がいい話だと思う」
上「ずいぶん悲観的なんだな」
和「そこでだ、ある程度口コミが広がりきったところで、僕は君を盗作として訴えようと思う」
和「もちろん君は勝つに決まっている。僕たちの作品の関係性を盗作と呼んだら、世の中の映画の半分近くが盗作になってしまうからな。
しかし数週間、うまく行けば1ヶ月は君と僕のニュースがネットで頻繁に上がってくるだろう。
その間に映画は全国で上映され、君の知名度はうなぎのぼりという寸法だ。
なあに、僕の心配はしなくてもいい。もともと自分の好きなように生きているだけの男だ。
なにより新しものが好きなネット民のことだ、決着がついて1ヶ月もしたらみんな僕の名前すら記憶に無いだろうよ。
近い将来、円盤が出た時には対談相手として呼んでくれ。そのときに盛大にネタバラシをしようや」
みたいな展開を期待している