大学2年生になった春。
夜を歩き、自己開示を積み上げ、当然のように唇を重ね、
私とAさんはその時すでに熱く愛し合っていました。
「ああ、私はこの人とセックスがしたい」
そんなことを思った正直者の私は、Aさんにその願いを率直に伝えてしまいます。
私のありのままの傲慢を認めてくれた寛大なAさん。今思っても素敵な人です。
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すべてを曝け合い、求め合い、受け入れ合い、
まさに愛情を確かめ合うような、幸福なセックスをたくさんしました。
デートもたくさんしたし、そのどれもが幸福に満ちたものでした。)
1年半ほどの関係を通して、幸福とセックスとが私の中で結びついていきます。
3年生の秋、膨れ上がるすれ違いに関係が大きく歪み、Aさんとの仲が終わりました。
次のAさんはどこにいるだろう。
「私を愛し、すべてを受け入れてくれるAさん」は、誰の中にいるだろう。
Aさんの影を追うように。Aさんとの幸福な思い出に縋るように。
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その後、やっと巡り会えた、心の底から愛し合える人。Bさんです。
気付くのが遅すぎました。
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Aさんとの別れの後──
肉体的な欲求だけをぶつけ合う日々。
もはやどこにも無くなってしまっていたのです。
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網膜に棲み憑いた亡霊たち。
だめ、今はどうにかBさんとのセックスに集中しないと。
あ。
無理。
今日はごめんなさい。
大好きだから。本当にごめんなさい。
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早く生まれ変わりたい。
悔やみきれない。早く気付けよ。
あんなことするんじゃなかった。
私が、憎い。
セックスが、憎い。
聴いているだけで辛い。いっそ小説ならよくできてると思えるくらいだ。
貞節と純潔の精霊と謳われたこの私にしてみれば嘲笑するような、あるいは安堵するような気持ちにさせられる。 真実の幸福はどこにあるのか。
anond:20180522034301