子作り始めて4年。不妊治療専門のクリニックに通い始めて2年半。
10回の人工授精と2回の体外受精を経てようやく子供を授かった。
正直な話、今日涙声の嫁さんから「心拍が確認できたよ」と伝えられた時、自然と湧き上がった気持ちは、嬉しさではなくて解放感だった。
2年半の間に4回転院した。
自分にも嫁さんにも一般不妊検査で確認できる範囲では特段問題もなく、年齢も20代後半だから
診察する医者は皆、口を揃えて「若いしすぐにできますよ」と言っていた。そんな甘い言葉に騙された。
毎月毎月治療をして毎月毎月悲しむことを、かれこれ35セット繰り返したよ。
嫁さんは生理の期間以外は毎日薬漬けで、自分自身も少しでも精子の質が良くなるならと精索静脈瘤の手術も受けたんだ。
それでも妊娠しないんだよね。何も悪いところがないって言われるのにね。
子供のできないことの何が辛いって、その苦しみを誰かと共有できないことが一番辛いんだと個人的には思っている。
子供って普通望めばできるもんだし、我々みたいに高度不妊治療に頼らなくても自然に愛し合って授かるもんなんですよ。
この辛さは同じ不妊治療をした人にしか理解できないんだろうね。わかってって言ってもわからないと思う。
街で子供を見かけると胸が痛んで、何気ない親族の言葉に心を抉られて、喜ばしいはずの友人の妊娠報告ですら引き裂かれる思いがして。
なんでみんなが普通に感じられる幸せを自分たちは手に入れられないんだろうって。欠陥品なのかなって。
結果が絶対出るってわかってるならまだ頑張れるけれど、それすらもない中で相当な時間とお金をつぎ込んでいくんですよ。
いやぁ、苦しいよほんとに。
いままでかかった費用が200万くらいなのかなぁ。うち120万くらいが体外受精にかかった費用かな。精索静脈瘤の結紮術は保険治療ができて3万だった。
お金はまだいいけど、不妊治療を優先して仕事のチャンスを見送ったことが今でも悔やまれる。仕方がないのだけれど。
ここまで書くとネガティブすぎるからダメなんだよって思われるよね。
いや実際その通りだけど、それだけ子供を望んでもできない人って辛いんだなぁってやさしく見守ってあげてほしい。