突然ですが勤めていた会社が俗にいうブラック企業だったので仕事を辞めました。
時間にも心にも余裕が生まれましたがお金には余裕がなくなったので、久しぶりに地元を散歩してみることにしました。
実家暮らしなので慣れ親しんだ町ではありますが、ここ数年は家と駅の往復しか記憶になく、家から徒歩数分の景色でさえ懐かしさであふれていました。
とりあえず小学校までの通学路を歩いてみました。
不審者と思われて通報されたらどうしようと最初はビクビクしていましたが、そんなことどうでもよくなり、iPhoneで写真を何枚も撮りました。
ブラック企業で仕事に追われるだけの日々は幻のように立ち消え、ここに自分がいるぞという感覚が全身を包みました。
気づけば2時間以上も歩いていて、クタクタになりながら家に帰りました。
帰ってから、母に写真を見せながら散歩で気が付いたことを夢中で話していました。
働いている間は話す気力もなく、1日に一言二言会話をするくらいだったので、久しぶりに母と話をしたなぁと思います。
働きすぎて体調を崩したとき、辞めてもいいと言ってくれたのは母でした。
仕事をしている最中は気づけなかったけど、母が毎日家事をしてくれていること、私のことを気遣ってくれていたこと。
そんな当たり前のことを今更になって気づいた私は、自然と「ありがとう」と口にしていました。
母は少し目を潤ませながら「次はいいところに行けるといいね」と言って、それから「その写真LINEで送ってよ」と嬉しそうに言いました。
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