仕事から疲れ切って帰ってきて、風呂にでも入るか…と服を脱ぎかけた午後10時55分。チャイムが鳴った。
こんな時間に誰だ?とちょっと警戒しつつ、インターホンを出ると、Amazonからの宅配物だという。
午後11時にはなってない。5分前。でも、その時間にチャイムを鳴らすのって、非常識かどうか、わりとギリギリのラインだと思う。
特にお急ぎ便でもなく、そもそも注文時の配達予定日も、今日ではなく、今日もしくは翌日となっている。
ドアを開ければ、疲れて帰ってきた俺よりももっと疲れた顔のおじさんがAmazonの箱を持って疲弊しきった様子で立っていた。
それゃこんな時間まで働いてたら疲れるよな…と思いながらも、こちらとしても、まあ、多少はイラッとしてる。こんな時間に、って。
シフト制ならいいけれど、朝から働きづめでのこの時間だとさすがに相当に辛いはずだ。
それをわかっていながらも、「こんな時間に非常識じゃないですか」ってつい口にしてしまった。
俺って最低だ。
おじさんが帰ったあと、メチャクチャ後悔した。申し訳ない気分になった。自己嫌悪。
何故、「おつかれさまです、ありがとう」の言葉のひとつもかけられなかったのか。
おじさん、ごめんなさい。
届いた中身は伊坂幸太郎の新刊と山口滉の画集、あと、射精管理モノの痴女AV。
せっかくだから、オナニーしようと試みたけど、なんか勃たなかった。
それにしても、なんでもないただの宅配物を夜の11時に届けなければならない世の中っていったいなんなのか。
なんだか哀しい。
俺レベルならコンビニ受取使うけど・・・