某中小企業で働いている。
社長が、社員に、取引先に、会う人会う人に言う「業績が右肩上がり」「起業して1番の利益」「今年いちばんの売り上げ」
己はボジョレーヌーボーか!
そして、会社が取引先に持ちかける言葉の数々。それも大半が嘘。
けれど、専門的な知識がない人には「すごいこと」に聞こえ、新しい取引先が決まったと聞くたびに憂鬱になる。
それでも色々なところで嘘はバレるもので、現在どんどん取引先から手を切られている。業績右肩上がりなんてあるわけがない。
もちろん、ビジネスだから多少の嘘や誇大広告には目を瞑るしかない。
しかし、自分の会社がやっていることは、最早「詐欺」の領域だ。
詳しいことは言えないが、先日社長が出した「嘘をつく」指示を同期が実行し、どうやら本日嘘がバレたようで、お怒りのお電話をいただいた。
しかし、社長にとって「嘘はバレなければ本当だから、うまくやれなかった社員の責任」という認識のようで、ひとしきり他部署で愚痴をこぼした後、新しいパソコンを購入する計画を話していた。
自分は知っている。
今年の年末までに、嘘にうんざりしていた社長の右腕が独立し、多くの社員を引き抜いて会社を設立することを。
引き抜かれた社員は優秀な人たちばかりで、正直、会社の売り上げの大部分はその人たちが作っている。会社は存続の危機だと思う。
新しい会社の当面の目標は「取引先に嘘をつかないクリーンな会社づくり」がモットーだそうだ。
すべてうまく行くとは限らないが、少しづつでも明るい方へと歩いていけたらな、と思う。
自分と同期は優秀という訳ではないが、右腕の方に恩を売っていたため、運良く声をかけてもらった。
同期よ、共に退職日まで頑張ろう。