夕張市が大変だ、と。
それでまあ、いろいろと思うことがあるのだけど、世の中に一発逆転の政策なんて都合のいいものはあんまりなくて、結局は地道にいろんなものを積み立てていくしかない。
割と、バブル世代より上のオジサンたちに顕著なんだけど、一発逆転の秘策に走りやすい。
まさに、起死回生の復活策に賭けて、倒れた夕張市がこれ以上、無謀な掛けには出ないだろうと信じたい。国がついてるから、悪手もなにも無理なんだけど。
それはそれ、夕張市の再浮上に、全く目がないかと言えば、いくらかはあるだろうと思っている。
具体的には炭鉱。
炭鉱が閉じたのは石炭が取れなくなったわけでも不要になったわけでもないのだ。
強烈な円高が進行した結果、単純に海外で買った方がはるかに安いから輸入に切り替えられただけだ。
しかし、長らく経済は停滞しており、日本国内で賃金は20年近くも据え置かれている。
対して、石炭の輸出国は一様に賃金が上昇しているのだ。国によっては日本と現地での賃金格差の逆転が起こっている国もある。
つまりは、そのうち石炭を自国で掘った方が安い、という事態の再来もあるのではないかというくらいは連想ゲーム的に考えることができる。
これは別に石炭に限らず、重工業でも軽工業でも『世界の工場』である中国や東南アジアから撤退、国内回帰が始まっていることを考えると特段、突飛なことを言っているつもりもない。
ただし、極端に人手不足のこのご時世、他の国内回帰産業や単純業務、一次産業、輸送業に建設業に公務員にヤクザまで、必要な人員を確保できないであえいでいる。
結局は難民でも受け入れられなければ、夕張に限らずどこも、需要はあるけど生産施設が回せないで絶望が続く、広がるのかな、と思いますわな。