2017-04-22

ビッグハードウンコが体を裂く

虚空を貫く稲妻のように、私の体を痛覚が走り抜ける

神経が痛みを感じるよりも早く、私の肛門本能理解した

「このウンコビッグハードだ。私はこのウンコを生み出す痛みに耐えられない」

私が便座の上で悶えたのは、その数秒後だ。ウンコ空気に触れるその刹那まで、私の体は痛みを感じることすらないのだ。

そして私の体はあらかじめわかっていた痛みに悶える。雷雨をいち早く察知する漁師のように。大海原でそれを避けることは誰にもできないのだ。

痛みの後に押し寄せてくるのが、臭いだ。

ウンコが着水するそのゼロコンマ数秒の間に、匂いの粒子は私の鼻に到達する。

こんな臭い物体を身に宿して、誰もが自分を地べたを這っている。

まるで自分普通の人だと訴えるように。自分は今まで臭いウンコをしたことがないように。

しかし、現実問題として私のウンコ臭い。昨日食べたシーチキン匂いがする。確かに咀嚼されたはずのシーチキンは、姿を変えてTOTO便器の上に鎮座している。このシーチキンも、何ヶ月か前はあの大海原を自由に泳いでいたはずなのに。

なにも私のウンコになんか生まれ変わる必要はなかったのに。

シーチキンにとってせめてもの救いは、転生したその姿がビッグハードウンコだだったことだ。

宿主に呻き声を上げさせる、ソリッドなウンコだ。

あんな柔らかく芳醇なシーチキンが、どうしてこんなに固く拳を握りしめて、私の肛門を裂くんだろう?

どうして私の肛門もっとタフになれなかったのだろう?

まあ、もう手遅れだ。なんにせよ、ビッグハードウンコは私の体を裂いたのだ。

毛布に横たわり、私はあのビッグハードウンコのことを考える。

あれだけ硬いウンコならば下水管を流されても、ウンコとしてプライドを保ち続けるのではないか

そして、そのウンコはいつか大海原に到達し、回り回ってまた再びシーチキンになるのではないか

そのとき私は、自分が生み出したビッグハードウンコに気がつくことができるのだろうか?遠い日に離れ離れになった恋人たちが、お互いの体臭を嗅ぎ当てる様に?

全てはまた遠い未来の話だ。さよならビッグハードウンコ。次に出会う時は、もっと健康消化器官を持って、適切な固さと控えめな匂いで生まれ落としてやりたい。

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