2016-10-22

WHOの「不妊定義変更について ー童貞障害者かー

この記事が波紋を呼んでいる。あまりにも翻訳がひどい。ミスリーディングな要約すぎて呆れてしまう。

性的パートナーを見つけることができない人は障害者扱いに https://jp.sputniknews.com/life/201610222931817/

魚拓: http://megalodon.jp/2016-1022-2347-09/https://jp.sputniknews.com:443/life/201610222931817/

元の記事を読んだので、自分なりの認識をまとめる。翻訳元の記事はこれだと思われる。

Single men will get the right to start a family under new definition of infertility http://www.telegraph.co.uk/news/2016/10/19/single-men-will-get-the-right-to-start-a-family-under-new-defini/

まず初めにハッキリさせておきたいことがある。元の記事は、タイトルを読めばわかるようにこの変更をポジティブに捉えている。そのスタンスがこの翻訳記事では180度ひっくり返されて報じられている。

新しい定義で「不妊」とされるのは、「医療的な問題関係なく、親になりたいが子供がいない独身女性/男性」だ。親になりたいがなれない人、というのは主にLGBTの人たちを念頭に置いていると思われる。翻訳記事で彼らを障害者とみなす、のような記述があるがこの訳はあまり適切でない。disabilityというのは確かに障害翻訳されるのだが、ここではもう少し軽いニュアンスを持つはずだ。

記事を読む限り、各国の保健行政機関に対してIn Vitro Fertilization(IVF, 体外受精)や代理出産を促進させるよう圧力をかけることが狙いのようだ。これはLGBTへの寛容さと相反するものではない。性的パートナーの有無に関わらず、誰もがreproductive right(性と生殖権利)を持っていることを明確に定義することによって、不妊治療を幅広い層へと開放しようとしている。

ゲイ男性生殖機能を有しているため、生物学的には不妊ではない。そのため代理出産などに対する公的支援を受けられない。このような現状を、WHO不妊定義を拡大することによって解決しようとしている。

これが元の記事を読んで自分が持った認識です。

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