2016-10-19

歳を取ると感性が鈍る、だからこそ素晴らしい

若い頃はどうして中年の人たちって何もかも面倒くさがるんだろうと思っていたけど、自分も同じような歳になって気づいたことがある。何か新しいことや困難にぶつかると、事の顛末が大体予想できるようになってしまうんだ。

話題映画があったとしても、大体予想していた通りの範囲に収まっていることが多い。若い頃には技術の進展とかにワクワクしていたけど、歳を取るとどんなに新しくなっても似たようなことを繰り返すだけなんだな、と気付いてしまう。

脳科学世界では、こういう感覚のことを結晶性知能というらしい。若い事は脳が新しいことをどんどん覚え受け入れていく。そのプロセス自体面白い。でも、歳を取ると何を見ても以前見知った何かとの共通点類似性見出ししまう。

それどころか、以前見知ったものと似ていること、見慣れていること、馴染みがあることの方に親しみや優良であるというような感覚すら芽生えてくる。若い頃に聞いた音楽が何よりも耳に心地いい。

そういった具合で、歳を取ると何もかもが面倒くさなくなってくる。新しく感じることは少なくなっていくし、何をやっても徒労感を否定し切れない。だから、同じ事・同じものばかりを追いかけ始める。

若い頃なら、そういう中高年を脳が死んでるとか、終わった人とか言って軽蔑していたけれど、自分がその立場になってみると、奇妙なことに意外なほど心地良い。

歳を取るごとに不安が少なくなっていくし、次々と新しいもの求めない分、心に余裕も出来てくる。たぶんこうして自分自身が余裕になったところに、若い世代社会に対して援助や貢献をする責任が入り込む余地ができるんだろう。

年寄り若者と同じくらい物事に強い関心を持っていたら、若者や世の中のために何かをしてやろうなんて思えないだろう。ちょうど若い頃には自分のことに精一杯で、他人や世の中にあまり強い関心が払えないように。

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