2016-08-31

エアコンデスクワーク頭脳労働

今、三十代半ばなんだけど、曾祖母が健在なんだ。100歳。

小学校に上がった頃だったと思うんだけど、勉強をして立派な会社に入ればクーラーの効いた部屋で仕事ができると、そんな事を言われた。

祖母百姓の出で、百姓に嫁ぎ、6人の子供を産んだわけだけど、時代がら学校に通っていないんだ。

からひらがなカタカナも独学で少ししか読めない。

60過ぎまで道路工事作業従事した曾祖母の目には、エアコンの効いた部屋で仕事をする俗に言う「ホワイトカラー」がとてつもなく楽そうで、そのうえ高級取りで、ずるく見えていたのだろう。

周りにいたのは、百姓大工漁師くらい。総じて学がなかった。

そんな曾祖母からすると勉強をして、ホワイトカラーになるのは幸せなことだったんだろう。

自身ホワイトカラー一種に分類されて十年以上たつけど、さて、そんなに幸せか。

いや、生活は恵まれていると思う。

だが、仕事は辛い。

祖母は、あまりアカデミックなことを理解しない。

会社に500人いると話すと、半分は寝てるだろ、とか、下駄箱で靴を間違えられるなとか、とんちんかんなことを言う。

本を読んでいると、理解不能生野菜サラダを食べると顔をしかめる。

100歳にしては元気な方で、特に介護不要だが、耳はさっぱり聞こえない。

たまに帰って飯を食うと、動かないのによく食べると、嫌みを言う。

僕は曾祖母意向により進路を曲げられたこともあり、当時は、曾祖母が死んだら元に戻ろう、くらい思っていた。

実は内心、早めの退場を願い続けてもう20年も経つが、まあ来年くらいにはお別れがきそうだ。

多分、僕は泣くだろう。

そして、口には出さないが、僕と同じことを思っている大勢の連中も多分泣くだろう。

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