旦那は自分が1番。長男をソフトボールに連れて行く、というと聞こえはいいけれど行ってプレイするのは自分。子どもはそのへんにほっとかれた。でも干渉は酷いレベルだった。
彼女は長女に徹底的に父親の悪口を吹き込んだ。長女は学年で1番をとるぐらい勉強ができた。けれども女だからの理由で地元の短大しかいかせなかった。さらに就職するとそのへんのFランの大学に行った長男のために仕送りまでさせた。ずっと自宅に縛り付けて家事をさせて一人暮らしも認めなかった。長女はそんな親を見て結婚をあきらめた。
長男は男だからという理由でなにもさせなかった。台所にも入れなかったし、洗濯や掃除も母親と姉がやった。家電の設定なども姉がやった。
大学は一人暮らしをしてそれなりに家事を身につけたけれども1人でなければやるべきことを見ようともしなかった。
長男はのちに結婚するが仕事しかできなかった。いい人ではあったけれど自分で考えられない人間に育った。例えばゴミ捨てを頼まれれば引き受けるけれども妻から「今日は〇〇ゴミの日だよ、時間だから出してきて」と言われるまでゴミはそのままだった。それが一度や2度でなく毎回のことだった。
彼女は子どもたちをきちんと躾けたという。時代や地域柄、それは確かに普通の子育てだったのかもしれない。でも大人になってどこが歪んでいる長女と長男を見ているとそれは子育てではなく虐待じゃないのかと思うのだ。