2016-04-11

バカしかからない映画バカにもわかる映画

が、日本映画ハリウッド映画の違いだ。


ハリウッド映画はこの百年間、方法論を磨いて磨いて磨き続けてきた。

人々が感じる「かっこいい」や「おもしろい」の無意識抽出言語化しようと試み、クリシェや紋切り表現歌舞伎レベル様式美にまで高めた。

そういう蓄積が映画学校や業界へと絶えず還元されつづけ、監督を、脚本家を、俳優を、スタッフを育んだ。

その歴史結晶が「バカにもわかるけど、わかる人にはもっとわかる映画」だ。

ただなんもなしに観ても爽快感あふれるエンタメしかしその裏には深い意義や高度な演出が隠されている、というやつ。

もちろん、すべての映画がそうあるわけではないし、ダメ映画はいくらでもある。

しかし、ハリウッドトップブトップは洗練を極めた「みんなのための映画」を量産している。


かたや日本映画は両極端化している。

片方は「バカしかからない映画」、もう片方は「分かる人にしかからない映画」。

前者は浅薄すぎてバカ以上の知性を持った一般の観客には耐え難く、後者は傍からみたら内輪ウケしかないのでやはり一般の観客の視聴にたえない。

要するに、日本映画バカオタクでないと楽しめないようになってしまっている。

日本人映画館に来なくなったのはテレビのせいでもネットのせいでもスマホのせいでもない。

一般人の観られる映画が、日本にはないのだ。

  • 技は盗め とかいう日本の精神性では黒澤明がポンと出てそれ以降は終了ってこったな

    • というより、人材育成を撮影所内部に頼り切りにしてしまったのと、 そのスタジオ崩壊以後の人材育成システムをついに構築できなかったことが問題。

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