経営者になったことがないんだなー、って思う。中小企業(社員数十人まで)だったら、「社内で一番経験豊富で地頭も良いのは社長」「社長が自分でほぼ全体像を把握することができる」というケースが多いと思う。あと、もちろん「社長は会社のことを社員よりずっと真剣に考えている。会社が潰れたら借金を抱えることになるのは社長だけ」「全体像が見えているのは社長だけ」。そうなると、はっきり言って社員の提言はほぼノイズ。社員からは、社長がずっと前に考えてなんらかの理由で却下したものしか上がってこない。もちろん、「社員の不安の解消」は社長の最も大事な仕事の一つなので、提言をよく聞いたり、ときには実行したり実行させたりするのは大事だけど、あくまでモチベーション維持のための施策であって、それ以上のものではない。
困難な状況だからこそ、「指示」ではなく客観的な「目標」を掲げたうえで、みんなで創造的な方法をもって挑んでいけるような環境をつくるべく、あれこれとディスカッションしていける環境を用意することこそが経営者のお仕事なんじゃないでしょうか。そのためには、経営者が聞く耳をもってディスカッションに当たらないと始まりません。
これは困難な状況の社長にはきついだろうなと思う。そんなに社長をいじめないでくれ。自分ではよく分かっている困難な状況を社員に指摘されて、「どうするんですか!」みたいなことを言われるんでしょう。私だったらそこまで社員を信頼できないな。もし正直に、月末の資金繰りが厳しいとか、銀行から融資を引き上げられそう、という話をしたら、普通の社員は奮起するより、転職先を探しだすと思う。取引先にその話をぽろっと漏らされても困るし。特に心に余裕がないときは辛そう。ごく一部の、自分と一蓮托生とまで信頼している社員と話す可能性はあるけど、経営危機に際して「みんなでディスカッション」なんてありえない。
経営者の逆鱗に触れた社員と、その後の彼。 http://blog.tinect.jp/?p=19867 僕も昔は他人からの指摘に過剰反応していた気がするし、今でもちょっと「むっ」とすることはもちろんあるのだけ...
経営者になったことがないんだなー、って思う。中小企業(社員数十人まで)だったら、「社内で一番経験豊富で地頭も良いのは社長」「社長が自分でほぼ全体像を把握することができ...