人類の歴史はアートの歴史である。われわれは、身体性を表現するためにさまざまな器材を使用するが、その一分野としてピス・ペインティングなどの排泄物を使う手法が注目されている[1]。しかし、排泄物の色彩的バリエーションが非常に限定的であるために表現の幅が限られるという問題が指摘されている[2]。一方、うんこは、通常、胆汁の色である黄土色であるが、赤ワインを飲むと緑色、牛乳をを飲むと白っぽいうんこが出ることが過去の経験から明らかにされている。そこで本研究では、適切な摂食活動によってこれら三色が層状に重なったうんこ三色旗の排泄を試みた。
【実験】午後六時にに農協牛乳(賞味期限14.11.12)をコップ一杯とり、30分経過後カップ焼きそばとポテトサラダの夕食をとった。午後七時より1時間かけて赤ワイン(ランブルスコ・ドルチェ)1本720mlをつまみなしで摂取した。翌日午前中に排泄された便を視認により確認した。
【結果】排泄された便は均一な暗緑色で、液体状であり、白色部分および黄土色部分は見当たらなかった。
【考察】消化器管内部の便の流れを押し出し流れと仮定すると、摂食した順番に白→黄土色→緑色の便が排出されるはずであるがそうならなかった。このことは、もっとも直径が大きい部分である胃臓において各色成分の混合が起こったためと考えられる。また、固形便を排泄することができなかったのも問題である。これは、牛乳の賞味期限が切れていたこと、および、ワインの量が多すぎたため下痢を起こしてしまったのが理由と考えられる。第二報では、各色成分の摂食間隔を十分開け、また牛乳および赤ワインの摂取量を調節することで、これらの問題点を抑制することを検討する。