ECのようなことをしている会社に勤務。自分は商品担当。問屋と話をつけてきて商品の掲載条件を決定、掲載一覧情報を社内のWEB担当につなぐまでがお仕事である。
問屋がもってくる商品情報というのがちょくちょく間違っている。商品名のスペルが違っていたり、商品コピーに誤字があったり、色・サイズが違ったりetc. 自分も気づいた時には直しているのだが、正直、全部逐一見るわけにもいかない。「掲載情報が間違っていた時には問屋の責任にしますよ」の言質を取ったうえで、問屋に情報を入れさせ、自分自身でも商品価格などのクリティカルな情報をチェックしたうえで、えいや!でWEB担当に回すのだが、そのやり方が社内で問題になってしまった。
いわく、商品情報は100%正確であるべきだ。正確でない情報を製作サイドに回すのは商品サイドの怠慢である、と。私の上司、そのまた上司までCcに入れて、メールで告発をされてしまった。
いやいやそういわれましても「100%」の確認なんて無理じゃないですか。大体、ユーザーはそんな細かいところまでみてないでしょう。商品詳細ページのページビューって月どんだけさ?直接のクレームだって1件もないでしょう?よそのサイトを見てごらんなさい。アマゾンだってどこだって、細かいところを見ればうちと同じ程度には間違いがあるんですよ。なんかあったときには、その場その場でフレキシブルに対応するのが、結局のところトータルの業務量を減らせれるんですよ。というわけで、まあ、ここはお互い、社内で協力しあってやっていきましょうじゃないですか、と、ゆるいところで収めようとWEB担当氏と直談判に臨んだが決裂したところまでが今日。正直明日以降のことは考えたくもない。
思えば、爆弾メールを食らった時点で、素直に謝っておけばよかった。WEB担当氏の中では、正確な情報を掲載する、という点のみが唯一の価値となっていることを感じたうえで、業務量と正確さのトレードオフを持ち出すことは不可能であることを察する必要があった。上司に対して慎重に探りを入れながら見解をもとめつつ、どの程度の正確さが社として必要なのかを共有し、社としてのポリシーを決めてもらえばよかった。
率直に言って、「ほどほどのチェックをする」という、自分の仕事のやり方が誤っていたとは思わない。WEB担当氏の、変質狂的な正しさへの希求はブラックへの道につながるとさえ思っている。とはいえ、WEB担当氏の主張自体が誤っているということでもない。考え方や哲学の違いだと思う。悪かったのは、考えの違う他人と話せばわかりあえるのだ、と思って、バカ正直に話をしにいった自分の芸のなさだ。