2011-08-02

自慰独白

僕は昨年の10月頃まで2年ともう少しの期間をある女性と付き合っていた。

ある理由から、理由はともかくきっかけはとてもくだらないことだった、が別れる事になった。

当初彼女はまたよりをもどしたいというようなことを言っていた、僕もそれを望んでいた。

その時僕は互いに落ち着く時間が必要だと思っていた。

熱にうなされるのではなく、本当に相手が必要かどうか確かめ時間が必要だと思っていた。実際その時は彼女もそれには同意してくれたようだった。

でも実際はちがった。僕はその期間を経ることで二人の関係がよりよいものになると考えていた。しかしそれは愚かな思い違いだった。

最初のうちは頻繁にあった連絡も頻度が減って行き、いつしかほとんどこなくなった。僕があえてあまり連絡を取らないようにしていたことももちろん影響はあったと思う。そしてよりを戻したいという話ははるか過去の話になり、やがて彼女は僕に苛立ちを感じるようになった。

僕は彼女を見誤った。自分自身も見誤った。彼女は実際のところ、そういう理性的な話よりも安らぎがほしかったのだと思う。

しかし言い出せなかった。なぜならそれは正しかたから。でもそんなもの価値はなかった。よしんばあったにせよたいした価値ではなかった。

そしてそれが理屈よりも優先されることなんて古今東西一度もなかったし、これからもないだろうと思う。

そういうことにいまさら気づいた。あまりにも遅かった。いや本当は知っていた。でも忘れていた。より厳密に言えば、思い出そうとはしなかった。

もはや彼女の気持ちは僕にはない。当然だ。別れてからのおよそ1年ほど僕は彼女孤独苦痛しか与えて来なかった。彼女未来を、幸せをつかむためにすでに踏み出してる。もはや彼女の中で僕は過去の何かだ。それがなんであれ僕の望む未来につながらないことはわかってる。いまどき小説だって、僕の望む奇跡は起こりはしない。

過去にも似たような理由で大切なものを失った。つまり自分の強さの基準で相手を測るということで。その時僕は今度はうまくやると、思った。でも結果はどうだろう。まったくといっていいような愚かな勘違い、自らの傲慢さを味わう結果になった。むしろ過去よりもひどいといっていい。

そしてさらに愚かなことに、そのもろもろのもの彼女に与えている影響のせいで彼女を不幸な未来に追いやったのではないかという考えがどうしても抜けない。ただしなにもしてやれない。そうしたことを考えることすら、愚かであり、もし彼女が聞けばきっと怒り出すだろう。何様のつもりだと。反論のしようもない。

こうしてこんなことを書いていること自体、見苦しいことだというのはわかってる。でもこうでもしない限り気が狂ってしまいそうだった。死んでしまいそうだった。いつかこれを見直したとき笑い飛ばせるときがくるだろうか。今の僕に確信はもてない。

いつだって僕は持ってるもの過小評価する。感謝の気持ちを忘れ傲慢になる。それがこうした結果を招くという事実を何度も味わっているにもかかわらず。いつのまにかその味を忘れてしまうほどに薄く。それは救いなのか呪いなのか。少なくとも今の僕は忘れたがってる。必死に、醜く、すべてがなかったことになれば言いと願ってる。

  • 訂正 誤)そしてそれが理屈よりも優先されることなんて古今東西一度もなかったし、これからもないだろうと思う。 正)そしてそれが感情よりも優先されることなんて古今東西一度も...

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