2021-05-11

推し差別した

 推し差別した。

 とあるSNSに、私の推し黒人ミックスの子(以下、分かりやす黒人ミックスではなく黒人ハーフとしておくが)を思いっき揶揄している動画が出た。「(黒人ハーフは)異国の血が入ってるからたち日本人とは違う。髪の毛がチリチリ〜」くらいまで言っていた。思い切り言っていた。動画は秒速で拡散され、推しセリフ英訳されて海外ファンダムにも「差別主義者!」「なんだこのクソ野郎は!」とギャンギャンに罵られていた。

 私は推し努力家なところ、くるくる変わる表情、明るい笑顔が好きで、ずっと応援していた。推し言葉の端端から勝ち気な子だな、とは思っていたけど、頭のいい子だし責任感も強いし有言実行タイプから強気発言をして叩かれていても、「叩いている人たちは推しの本当の姿を知らないんだ。推しは少し不器用だけど、それ以上に魅力的なんだ」くらいにしか思っていなかった。

 しかしながら、ここにきて推し10:0で自分の過失で叩かれている。あの発言失言どころの騒ぎではなく、マジモンの差別発言である。より悪いことにその黒人ハーフの子日本まれ日本育ちを公言しているので(なので日本教育を受けた日本国籍保持者だ)、推しは本当に黒人ハーフの子の外見だけを見て「俺たち日本人とは違う」と言い切ったのである推しは、その人がどこで生まれ育ってどんな文化を持っているかではなく、見た目だけで「俺たち日本人とは違う」と言い切った。

 私だって日本育ちの日本人だ。街中で黒人をみると、その体つきや髪型におお、と思うことがある。でも、私のそう豊かではない人生経験の中でも、ハーフの子出会たこともあるし、海外に暮らす日本人や反対に日本にやってきた外国人出会うこともあった。その人たちと私の間には、文化や考え方の差異はあっても、それでもその違いは「私」と「誰か」の違いであって、「日本人」と「外国人」の差異ではなかった。私自身が海外旅行した時も、「私」の話を聞いてくれる人に会えれば嬉しかったし、私がアジア人からと言って、街中で「中国人!」なんて揶揄されれば悲しかった。そんな浅い経験しかない私だって、「黒人ハーフは俺たち日本人とは違う」という発言が相当にやばいことが分かる。しかもこのご時世出た。BLMどころかアジアンヘイトクライムの今、地球のどこがではアジア人というだけで攻撃される可能性のある日本人の推しが、黒人ハーフ日本人を揶揄推しが時流に乗れてなさすぎて、または頭が悪すぎてクラクラする。

 でも、推し差別主義者だとしても、時代の流れから取り残されたアホンダラだとしても、私の推しは魅力的だ。推しのが見たいし声も聞きたい。推し努力家で責任感があって向上心が強いことに、そしてそれに私が惹かれたことには変わりがない。でも、許されないことをしたとも思う。

 推し別に犯罪を犯したわけではない。恋愛スキャンダルもないし、暴力を振るったわけでもない。でも、人としてやってはいけないことをしていると思うと、とても庇う気になれない。

 好きだから辛い。推しにはこれから活躍して欲しいし、好きだからこそ今回の件で謹慎するなり何なりしてもいいくらいだとも思う。お咎めなしというわけにはいかないし、そんな贔屓みたいなことはしてほしくない。だけど、推しが見れなくなるのは嫌だ。矛盾しているけど、どうしようもない。悲しい。

  • 推しは別に犯罪を犯したわけではない。 人種差別は国連でも禁止されてる行為を人気取りの人間が行う事自体が失笑ものです。 その人は人ではなく人気取りの人間であるのにそういう...

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