2021-03-17

結局エヴァにさえ見捨てられてしまったおたく

エヴァが、おたく達へのメッセージとして結局、「普通にしてさえいればいいんだよ」ということしか言えなかったのが悲しい。そりゃ俺も、きっとほとんどの大人も、他に何も思いつかないわけで、だからこそおたくは、どうしようも無くおたくな訳だけど。

あんまり拗らせずに、ただ普通にしていればいい。普通にしていれば、普通力学がはたらいて、普通に周りの助けを借りて、あるべき所に収まることが出来る。心配しなくても、あなたの出番、あなたしか出来ない仕事というもの絶対にやって来る。それも、誰の目にも、もちろん、あなたの目にも明白な形で、やって来る。」っていうメッセージは、悩み一般テーマにした物語の結末としてはよくあるし、実際、ほとんどの”元・拗らせてた”大人は、そういう結論を通って、まともになったんだと思う。

うそういう結論しかエヴァを終わりに出来なかったって言うのも分かるし、庵野新劇場版を始めた意図全然違うところなのかもしれないけど、やっぱり26年おたくを待たせておいて、最後最後でいつもの「納得感」をフルスクリーンで叩きつける、っていうのもどうなんだろう。

アスカケンスケとのあれこれだっておたくを舐めているとしか思えない。アスカケンスケと過ごして居心地良いのは納得できるけど、ある一つの言葉アスカを救ったような描き方をするのは辞めて欲しい。エヴァは「人を劇的に救う、核心的な一言」みたいな安いドラマアンチテーゼではなかったのか。

安易な「この世界の片隅に」みたいな場面も、本当にエヴァでやる必要があったのか?どんな状況でもしたたかに暮らす人々の力(に触れたアヤナミ)でしかシンジを立ち直らせることは出来なかったのか?エヴァは「人をやがて救うのは、時の流れと日々の暮らし」みたいな、安いドラマアンチテーゼではなかったのか?

庵野、結局お前さえ結論を出せなかったせいで、おたくたちは今でも、どこで聞いてきた言葉なのだろうか、”他者の痛み”がどうだとか言ってエヴァを語っているぞ。おい見ろよ、「ガフの扉」だとか「ゴルゴダオブジェクト」だとかの話は凄く厳密に考察できるのに、心の問題になるといきなり、曖昧言葉でなんとなく語ることしか出来ないおたくありさまを。心の問題は、「絵コンテにはこう書いてある」だとか、「ウルトラマンオマージュだ」だとか、とにかく情報を集めていけば解明できるような事じゃなく、おたく自身がその”他者の痛み”とやらにしっかり向き合って、「普通に自分の心を見つめ直していかなければいけないのに、おたくはそれが分からないんだよ。そもそもシンジだって、そういう面倒臭い奴として描かれていたのに、結局、じゃあそんなシンジが(そしておたくが)どうすれば救われるか、庵野、お前にも、結局分からなくて、急遽シンジ一定時間黙らせて、それから人格シンジやらせることにしたんだろ。それであんなに、シンジの心の動きが追えないような造りになってしまったんだろ。庵野あんまりじゃないか庵野ほとんど前田真宏が作ったって言うのは本当なのか、庵野。本当にあれで、シンジシンジのまま救うことがないままで、いいのか庵野

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