2017-11-11

加熱式たばこについて

思い返してみれば喫煙歴13年。

親のたばこをくすねて吸ってたマイルドセブンからキツイのがカッコいいと思ってハイライトメンソールバニラ風味が気に入ってキャスター、兄が吸ってたからなんとなく真似してフィリップモリス、長く吸えて後味にケミカル感のないアメスピと色々と吸ってきた。

一昨年の5月ごろだったかとあるイベントに行ったとき隔離された喫煙所でぷかぷかたばこを吸ってると、綺麗なキャンペーンガール的お姉さんがIQOSの試飲を進めてきた。

ガジェット好きの自分雑誌か何かで見てIQOS存在は知ってたけど、世間的にはまだまだ知名度がなかった頃。

周りの喫煙者たちも勧められるがままに吸ってはみるが、「あーなるほどね」と気のない返事をして、お姉さんのセールストークから逃れるのだった。

自分も吸ってみたが熱気とともにやってくる煙がどうにも受けつけられず、「悪くはないと思いますがねえ」と苦笑いしながらお姉さんから離れ、2本目のアメスピゴールドに火をつけた。

その後アメトークで触れられたのが原因らしいが、IQOSは大ヒットし、一時入手困難になった。

IQOSストアには長蛇の列ができ、ネットショップでもプレミア価格

街中でもIQOSを吸う人たちが目に見えて増えてきた。

みんなが欲しい欲しいと言うと自分も欲しくなる。自分がこれほど俗物的な人間だとは思わなかったが、私は強く後悔した。なんであの時、お姉さんの言うがままにIQOSを買わなかったのか、と。

しかしながら自分IQOSを欲しいと思った頃には、IQOSはもう普及し過ぎていた。

こうなるとまた違う感情が頭をもたげてくる。

「人と同じものは持ちたくない」。

さてさて現在、加熱式たばこと呼ばれるものにはものは3つの勢力がある。

1つはもちろんIQOS。それに続くのがgloとプルームテックだ。

喫煙所で紙巻たばこを吸う人間よりもIQOSを吸う人間の方が多いのを見ることが決して珍しくなくなった現在、私にはIQOSを買うという選択肢はない。

如何に小さな人間だと言われようともないものはないのだ。

そしてこの間、ついに公式オンラインショップからgloを購入することができた。

確か11からの先着順販売だったが、もちろんこちらは仕事であるトイレに行くふりをしながら何度スマホ販売ページをリロードしただろうか。なんとかカート商品を押し入れ、2日後にgloがやってきた。

さらに先日、プルームテックも手に入れることができた。こちらは公式による幾度の抽選販売漏れた末の、落選者向け優先販売という形で手に入れたので喜びもひとしおであった。

それからは手に入れた喜びもあって、常に加熱式たばこを吸っていた。寝起きの一服、食後の一服会社から抜け出たときの至福の一服

開封してほとんど減ってない愛飲していた紙巻たばこ一箱とビックの小さなライターはお守りのようにカバンの奥底に眠っていた。

今日のことだった。出先の喫煙所でgloを吸おうと思うが充電切れ、プルームテックは家に置き忘れる始末。

まあ、こんなの時のためのお守りだ。

カバンの底から潰れた紙巻の箱を探し出し、1本を咥える。たばこ葉の香りが懐かしい。ビックのライターで火をつける。なんだか悪いことをしている気がする。

たばこ一本吸うのにこんなにドキドキするのはいつ以来だろうが。随分と昔に戻ったようだ。

「失われた時をもとめて」のマドレーヌの一節を思い出しながら、久々の紫煙をゆっくりと、深く、強く吸う。

く、くせえ!

驚いた。ツーンとする刺激が鼻腔を刺す。

たばこ香りやら喫味やらをそこのけに、ただただ不快な痛みとも呼べる焦げ臭。

何かの間違いだろうとコンビニで同じ銘柄を買い吸ってみるが、やはり、くせえ。

コンビニゴミ箱に買ったばかりのたばこを捨てた。

家に帰ってgloを充電器に繋いでプルームテックを吸う。呼吸に合わせて先端のLEDが青く光る。

なんだか味気ない。加熱式たばこは味気ない。そんなことは知っている。

でも今は味のないガムを噛んでいるような気がする。

吐かれたプルームテックの水蒸気はエアコンの風にかき消されながら、跡かたもなく、匂いも残さず消えていく。

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