絶賛炎上中ですが。
テーマは良いと思うんですよね。
『家族思いのパパは正しいのか?』
正しいに決まっているといわれそうですが、いつの時代も、現状の価値観に疑問を持つことは大切です。
いま正しいとされていること、本当にそうなのか? そこから生まれる負はないのか? 負に目をつむっていいのか?
でもあのCM、何がまずいって、それに対するアンサーが『亭主関白時代に帰りたい』なんですよ。
淘汰された過去の価値観にしがみついているだけ、というのが見え透いてしまうことなんですよ。
でもテーマは良いと思うので、こんな感じに作り直すのはどうでしょう。
『家族思いの優しいパパ。
だから自分は、その姿を反面教師にして、こんな父親にはなるまいと誓っていた。
周りの目を気にせず、定時には帰り、妻と二人で子育てをした。
保育園から連絡があれば、周りに謝りながらも、早退して迎えに行った。
息子はすくすく育った。
定時に上がるために必死で仕事をこなしているのに、残業の多い同僚のほうが褒められる。
息子の夏休みに合わせて有給の希望を出せば、上司にねちねちと嫌味を言われる。
間違っているのは自分じゃない。会社のほうだ、社会のほうだ、そう自分に言い聞かせながらも ─── 。
心が折れそうになって、仕事一徹だった父親の姿が脳裏に浮かぶ。
……あんな風に仕事にばかりかまけていても、息子(俺)は父親を慕っていたじゃないか ─── 。
家族を大事にすることをやめて、仕事を第一に考えても、いいんじゃないか? それっていけないことか? 責められるようなことか?
心が揺れる。ぐらぐらと。
半ば惰性でケーキを買って帰る。
ケーキを忌々しく見つめる。こんなの、もうやめたっていいんだ。
こんなの、自分にとって不利でしかない。何もいいことなんてなかった。何も報われない。やめたっていい ─── 。
そこで家のドアを開ける。
息子と妻の笑顔が飛び込んでくる。
「おかえり、パパ!」という明るい声。
立ち尽くす男。
彼がどちらの未来を選ぶのかは示されない。
ただ「さ、洗いながそ」という優しい声と、息子とのお風呂のシーンだけが流れる』
というのでいかがでしょうか。
もう少しあざとくいくなら、最後に男が目を潤ませるシーンがアップで映り、
『さ、洗いながそ』
とかのナレーションを入れてもいいですね。
いや全然駄目 おまえの提示してるのも家族より金、仕事を大事にしているだけの古臭くて陳腐な価値観でしかない