11ヶ月になる息子がいる。
この時期の子は本当に目が離せない。
親が想像できないようなことをやらかすので、
この前は机につかまり立ちをして、
電源は入っていないし、11ヶ月の子供の力なら壊れないだろうと、
そのまま遊ばせていたのだが、ちょっと目を話した隙に
もしそれを飲み込んでいたら大変なことになっていた。
まさかキートップを外して口に含むなんて私には想像もできなかった。
そんな経験から、常に息子が誰かの目の届く場所にいないと不安で不安で仕方がない。
私一人で息子の面倒を見ることもよくある。
ただ、私は父親である前に一人の人間であるので、どうしても生理現象には逆らえない。
一人で息子の面倒を見ている時に催してしまったこともある。
私は息子を歩行補助器に乗せて、息子が部屋で遊んでいる間に
トイレに行くことにした。
歩行補助器は頑丈で大きいのでどこかに体当たりしても、
家具が傷つくことはあっても、息子が傷つくことはない。
それでも不安なので、トイレのドアを開けたまま用を足すことにした。
そうすると、ある程度部屋で息子が何をしているか確認できるのだ。
息子は部屋で歩きまわって遊ぶと思っていたが、
驚くべき予想外の行動に出たのだった。
なんと、息子は私が便座に座っているのを確認すると、
嬉しそうに笑い「あぁ〜〜〜〜!!!」と嬉しそうな悲鳴をあげ、
満面の笑みでこちらに走ってきた。
息子はトイレの前で、この上ない笑顔で「アハアハアハアハ」と、
それはそれはご機嫌な様子だった。
一緒に遊んであげても、あんなに嬉しそうな笑顔はそうそう見られない。
人がトイレで用を足すのを見てそこまで嬉しそうにするのはどうなのかと、
複雑な気持ちになった。
妻に聞いてみたら、妻も同じような経験があるという。
かくれんぼのようなノリでやっているのではないかと思う。そう信じたい。
ただ、息子が嬉しそうにするのは私がトイレにいる時のみで、
その心当たりが全くないと言えば嘘になる。
私にトイレのドアを開けたまま用を足すことを要求してきたことがある。
物心ついてからは、人に用を足すのを見られたことは一度もなかった。
親しい関係にある妻に見られるとしても、それは非常に恥ずかしい。
そんな恥ずかしがる私を眺めて、妻は非常に嬉しそうだった。
そんな妻の姿を見て、私も悪い気はしなかった。
母親の食べたものはもちろん、感情や経験なども赤ちゃんに影響すると言われている。