2015-03-24

あのドレス白金に見える人が青黒に見えるかもしれない方法

一日が経って冷静を取り戻したので改めてまとめてみます

いままで議論されてきた錯視する要因とされているもの

今まで議論されていたのは主に露出ホワイトバランス、色かぶり、光源方向でした。

特に特定の色を取り囲む周辺における明暗や色調の差が与える影響が最も有力な説として語られていました。

白黒のチェック柄に落ちる円柱の影の塩と明るい部分の黒が同じ色であるとされる錯視画像なんかがそれです。

http://matome.naver.jp/odai/2133396306637431601

しかにその観点で例のドレスを見てみると、背中と腰回りの本来であるとされるライン密度の違いが顕著であることがわかります

腰回りの太いラインを堺に、下半身にかけては黒とされるラインが高い密度で配置されているのに対し、背中から首にかけてはラインが一本のみ、さらに広範囲を覆う首周りの布には照明のハイライトが落ちていることで他のラインに比べ明るく感じられるようになっています

この事から考えるに、下半身の青とされる部分はラインの要素によりより色が濃く感じられ、背中回りの青とされる部分は下半身に比べ明るく感じられるように錯覚するようになっていることがわかります

まりこのドレスは、下に注目すると暗く=青みが強く感じられ、上に注目すると明るく=青みが弱く感じられるという仕組みなっているのです。

注目すべき生地の質感と視線の開始位置

さらに注目すべき点としてあげるのは、生地の質感です。

こちらも腰のラインを堺に上下を見比べてみると、上半身背中を含め上着からも高い光沢感が感じられるのに対し、下半身は光沢感よりも布のエンボス感が強く感じられます

これも照明のなせる技では有りますが、ワンピース部分の本来であるとされる布の横縞に注目しても、腰から上は陰影の差によってライン上に光沢が感じられるのに対し、下半身は全体的にラインが均一にあらわれています

このことからも、下から注目した人にはタオル地のような色の自由度比較的高い生地に見え、上から注目した人はサテンシルクのような高級感を感じさせる色の選択肢比較的少ない布を想像させるようになっているのです。

すでに話題の旬が過ぎ、さらに本物が出回っていることから検証は難しいですが、青黒に見えた人、白金に見えた人にそれぞれドレスの素材が何で出来ていると想像たか確認してみれば傾向が色濃く現れるはずです。

こうした要素を組み合わせることで、主に左下方向からこの画像に注目した人はこのドレスを青黒と決定づけ、主に右上方からこの画像を注目した人はこのドレス白金と決定づけたといえるのではないでしょうか。

加えて肩口のシルエットを歪ませる光源は強い逆光を感じさせています本来逆光であれば、光源を背にする方向はほかよりも暗いと感じる人が多いのではないでしょうか。

先入観排除による検証

そうして一度そう見えてしまったものを別のものだと認識するには先入観を取り去る必要があります

例えばこの画像意識せず出会い、前回とは違う要素によって色と質感が決定づけられれば、それぞれ異なる色調として認識できるのではないかということです。

そうした検証を行うに最適だったのがデイリーポータルZにあげられた検証記事であり、下からこまめにスクロールさせることで脳に青黒だと先入観を植え付けて、なおかつ青黒の色調が強く、布の質感も本来のものに近い下側から表示させることで改めて脳を騙してみるというのが前回の増田の内容でした。

しかすると青黒に見えている人も、画像の上1/4程度を表示させ、特に肩口の光沢感と逆光に感じられる照明部分に注目し続けることで白金に見えてくるようになるかもしれません。

以下、検証用のリンクを並べます

問題となったtumblrの元画像

http://swiked.tumblr.com/post/112166688660/bellasfault-swiked-katze-geht-meow

デイリーポータルZによる検証画像

http://portal.nifty.com/kiji/150314192985_1.htm

ハイテンションのまま書ききった今は恥ずかしの元増田

http://anond.hatelabo.jp/20150323172942

これから試したい人は、デイリーポータルZ記事を開いて、読まずに一番下まで下げて、そこから青黒だと認識しつつ徐々に上にスクロールするといいかもしれません。

最後

ただし、こうした色の理解もその人がもつ記憶から形成されるものであって、例えば光沢感のある生地を目にする経験が少ない人は右上から注目しても青黒に見えたかもしれませんし、ドレスタオル地を使うはずがないと思い込んでいる人なんかも下から注目しても白金に見えたかもしれません。

以上、今までなされてきた主に光による色調変化と錯視議論に加えて、生地の質感に対する経験則による誤解と、画像を視認するとき人間視点の傾向も加えてみてはどうかと、ここで提唱したい所存でございます

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