38歳独身で恋バナはなくて貯金は現金で5000万強くらい。そこそこ食えている。
産まれてこの方サラリーマン的な会社勤めをしたことが一回もない。履歴書書いたこともないし、日常的に満員電車乗ってた期間もない。
毎日昼過ぎまで自宅で家事やったりメール処理したりニュース見たり犬の世話してる。あと自転車洗ったり。
そのあと打ち合わせに出かけたり散歩したり近場でランチ食ったり仕事したりする。
仕事は仕事なんだが、世間の人から見ると趣味の延長線上に見えるもののようだ。一般の人から見ると「いわゆる趣味っぽいもの娯楽っぽいもの」系で、つまり創作じみたことでくってる。何か特別才能があるとかではなく、楽しそうな仕事を転々としつつここにやってきた。そこそこ金になってるし今更他の生き方もできない。実際自分だって楽しいから今の仕事をやってるわけであり楽しくなかったらやらない(楽しい≠楽ではある)。面白楽しくそこそこの生活ができる収入源は身の回りにいくつもある気がする。
34歳独身で趣味も恋ばなもなく~のひとは「趣味のある自分」というものが選択可能であり、その選択を行わなかったから今の境遇があると考えているようだが、それはちがうんじゃないかと思う。
自分は、自分が毎日満員電車に乗ってビルに入りデスクに座って電話をかけたり日報?日誌?みたいなのを書いたりする生活が可能な気がしない。不可能だと思う。そういう生活をする適正が丸ごと欠如しているのだ。そのルートを選択できる才能はなかったと断言できる。今のルートにきたのもいわゆるそういう世間的に真面目だとされるルートからドロップアウトした結果にすぎない。こっちルートはこっちルートで苦労が多い。社会的信用がなく、ある種の人々にものすごく嫌われ差別を受ける。毎日満員電車に乗らない人間は非国民だ、というようなことを言われたこともある。やっている仕事を仕事だと認めてもらえないこともある。まあ実際金にならない作業をしていることもあるんだが。
思うに人生は置換不可能なのだ。こっちとそっちは交換できない。過去どこかの地点で分岐があったというのは幻想で、今自分が歩いているルート以外のルートは実在しない。他人の人生を生きることも出来ない。うらやむことも比較することも無駄なことだ。良くも悪くも固有でユニークにしかならないのだ。趣味と仕事を区分してるから趣味がないとかへこむのであって、仕事が趣味ならそれでいいではないか、とも思う。どちらにせよ交換不可能なのでいま目の前にあるものを好きになったほうが得だ。人生は嫌いなひとやことと付き合うほど長くないし、好きなものやひとを十分味わうほどには長くない。そう思う。