2013-01-16

かつてエロインターネットを救っていた - 研究室先生と話していたこと。

「そういえばさ、ThisAVってサイトがヤバいんだよ」

学校研究室部品自動加工機を使っているとき留年であるクラスメイトが話をふってきた。

AVエロサイトすか?」

「そうそう」

「どうやばいんですか」

クラスメイトちょっとテンションを上げながら解説をはじめた。

「なんかさ、中国サイト?らしくて、ヤバい動画が落ちてるんだよ」

「へー」

「お前ら、エロの話か」

研究室先生まで話に入ってくる。

「お前らは知らんかもしれないけどな、エロ・・・もっと尊いものだったんだ」

先生はいつもこんな感じだ。芝居がかった口調で、ちょっと説教臭い話をしてくる。

「知ってますよ。中学校の頃苦労して画像とか動画とか探してましたもん」

「そうか」

「でも確かに最近エロを探すのが楽ですよねー」

クラスメイトの分の加工が終わってクラスメイトが帰っていく。僕と先生は話を続けた。

最近Tumblrっていうおしゃれサービス使ってれば、無限エロが流れてくるんですよ。完全に受身形で。」

「それはいかんな」

「えっ。どうしてですか。楽じゃないですか。」

「あのな。楽だからいいってもんじゃないんだよ。」

先生言葉に力を込めながら続ける。

人間エロを求める力がインターネットを成長させてきたんじゃないか。それすら怠惰になってしまったら、未来はないぞ。」

「へー。エロネットを成長させたって、よく聞きますね。」

「俺はインターネットの発展と一緒に成長してきたからな。」

先生の年齢はよくわからないけど、たぶん50歳近くで、今も昔もマイコンとかコンピューターオタクなのだ言葉さらに力がかかる。

「しばらく前までは、エロでいろんなトラップを踏むことでネットリテラシーを学ぶものだと思ってたが、最近は変わってしまったのか?」

「どうなんすかね。まぁ最近エロエロでおしゃれなWebサービスがたくさん出てきて、簡単にエロが見つけられますけども。」

「そうか。・・・おじさんは悲しいよ・・・

「はぁ、そうですか・・・ただ、常に新しいエロが流れてくるので、ローカルに保存したりブックマークしたりする必要がなくなったし、お母さんにエロサイト見てるのを見つかって叱られるっていう体験が減って世界平和になったと思うんですよ。だからいいことでもあるんじゃないですかね。エロ一期一会って言いますし。」

「ふーん・・・そういうものかな」

「それに、ネットリテラシーなんてあってないようなものじゃないですか。」

「そうか?最近特にひどいと思うけどな。アプリレビューとか、Twitterとか。」

「ああ、確かに。」

「それにさ、リテラシーの問題もあるけども、それ以上に、人間エロに満足してしまったらこれからインターネットを発展させていけるのか、と心配なんだよ。おじさんは。」

そんな壮大な問題があったのか。すごいなエロは。

「まぁ、なんとかなるっすよ。意識高い人がなんとかしてくれますよ。」

「本当にそうなんだろうか・・・

ネット未来なんて、ザッカーバーグに任せとけばいいんですよ。あいつはきっとドエロなんで大丈夫っす。」

考えた所でどうせ答えが出るものではないし。僕達にはネット未来なんて変えられない。

僕はただ、いつもどおりエロが見られれば、それでいい。

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