2011-08-12

まり知られていない「お笑い界で行われている継続的な実験

プロローグ

一部の人は知っているが、ほとんどの人が知らない、お笑い界で行われている継続的な実験について、書いてみようと思う。

お笑い界というのは、そのまんまの意味で、「お笑い芸人などが中心の芸能界の一つ」である吉本興業とかが中心のあれである

そこで行われていた、ある実験について語ってみようと思う。その実験とは、至極簡単で

である

この話は、別にタブーではない。なのにも関わらず、さほど語られない理由は、ただ一つ、実験の結果がでていないから、としかいいようがない。

それでも複数回の実験をしたことで、結果の傾向はでていると私は思っている。お笑い界の内部にいる人間が語ることはできない。しかし、私のような人間が語ることで、何かの知識の共有になればと思い、筆を取った。

スター定義

お笑いスターとは何か?」という問いに対しては、業界的な答えはない。お笑い関係者は、それぞれの個人的な意見を持っているが、どれが正しいかの答えはもちろんない。議論は交わされるが、それも酒の肴以上の価値はなく、個々人が正しいと思うことを思っているだけである

私の個人的な定義としては、「あらゆる道具を使って笑いを生み出すのがうまい」がお笑いスター定義だ。

お笑い芸人には二通りの人間がいる。一つは「お笑いの道具になる」人間で、もう一つは「他のお笑い芸人も道具として笑いを生み出せる」人間だ。

たとえば、一発屋と呼ばれるような芸人は前者だ。爆発的な笑いを生み出すことができるが、しかしそれは道具としての価値なのだ。道具は浪費され消費され摩耗される。要は自分を切り売りして笑いをとっているのだ。最終的には自分という財産がなくなって、芸人として生きていけなくなる。

後者ダウンタウンくりぃむしちゅー爆笑問題などがそうだ。他の芸人をいじったり、司会をやったりして、笑いを生み出すことができる。もちろん、自分自身を道具として笑いを生み出すこともできる。映画コントを作ることもある。要は周りの道具をうまく使えるプロデューサー的な立ち位置になれるタイプのことだ。

このタイプは一握りだ。しかしその一握りの立ち位置になることができれば、かなり芸人としての息は長くなる。それがスターと呼ばれる芸人たちなのだ。

スターは作れるか?

そこで、スターは作れるのか?という話に戻る。うまく道具を使えることができれば、スターになれるのだ。

しかし、うまく道具を使えるようになる、というのは実はコストがかなりかかってしまう。簡単に言うと、「道具を使える」という立場になるまでは、自分を切り売りしながら笑いを生み出し、自分価値をあげていき、司会などの仕事をとることで、道具を使える立場をとらないといけない。

まり、道具を使えるようになるまでのステップはかなり険しいため、事務所にとってはコストの高い投資になってしまっていたのだ。

要はビジネスモデル的に改善の予知が多かったのだ。

オリエンタルラジオの例

そして、なんとかショートカットをすることができないかという実験が行われる。オリエンタルラジオだ。

以下のサイトが非常によくまとまっているので必見だ。一部だけ引用してみる。

中田「僕の中での整理の仕方なんですけど、吉本興業の中での実験だったんじゃないかと思うんですよね。‥テクニックキャリアもなくてもそれで成立するんだったらビジネスモデルとしては正解じゃないですか。コストがかかってなくてパフォーマンス得れるんですからそれが成立したらそれをどんどんやっていくつもりだったと思うんです。」

http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/20101123#p1

オリエンタルラジオ中田は頭がいい。実験の中身を見抜いていた。

実験とは、簡単に言うと、道具として使える技術能力があれば、場さえ与えればその役割を果たせるのではないかというものだった。

実験の失敗

しか実験は失敗に終わる。

オリエンタルラジオには才能があった。いまの活躍を見てもわかると思う。頭がよく、場を回せる才能があり、話術がある。つまり技術はあった。しかし、不思議なことに、お笑いキャリアがない人間はどうにもうまくいかないのだ。

実験が失敗した理由

これはなぜだろうか。答えはもちろんない。

私の個人的な意見では、いわゆる自分の中の「エネルギー」の量の問題だと思っている。

いわゆる芸の肥しという言葉がある。そういうものが大量に蓄積されていないと道具の使い方がワンパターンになってしまう。つまりは、内部に貯めた知見のようなものが大量にないといけないのではないか、という仮説だ。芸人として、いろいろなことをやり続けてエネルギーを貯めなければ、道具を使いこなすことができないのではないか

これからお笑い

もちろん、実験はこれで終わりではない。経験がすべてだという答えで終わらせるほどお笑い業界は甘い業界ではない。お笑い業界は常に進化し続けているのだ。これからは、どのように知見を効率良く試させるかの実験が行われていくだろう。

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