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2024-10-10

フォリアドゥ(folie a deux)というのはフランス語で「ふたり狂い」という意味

果たして精神病というのは伝染するものなのだろうか。

人の心を操る寄生虫が出てくる小説ネタバレになるのでタイトルは言えない)を読んだことがあるが、実際に見つかったという話は聞かないし、たとえ存在したとしてもそれはあくま寄生虫病であって、「伝染性の精神病」とは言いがたいような気がする。

実際には、たとえば梅毒のように伝染性の病気精神症状を引き起こすものはあるけれど、純粋精神病細菌ウィルスによって感染する病気存在しない。精神病者に接触しても、感染心配する必要はないわけだ。

しかし、だからといって精神病は伝染しない、とはいえないのである

精神病は確かに伝染するのである細菌ではない。ウィルスでもない。それならなんなのか、というと「ミームによって」ということになるだろうか。

妄想を持った精神病者Aと、親密な結びつきのある正常者Bが、あまり外界から影響を受けずに共同生活をしている場合、AからBへと妄想感染することがあるのだ。もちろんBはまず抵抗するが、徐々に妄想を受け入れ、2人で妄想を共有することになる。これを感応精神病、またはフォリアドゥ(folie a deux)という。Folie a deuxというのはフランス語で「ふたり狂い」という意味最初に言い出したのがフランス人なので、日本でもフランス語で「フォリアドゥ」ということが多い。もちろん妄想を共有するのは2人には限らないので、3人、4人となれば"folie a trois"、"folie a quatre"と呼ばれることになる。なんとなく気取った感じがしてイヤですね。

AとBの間には親密な結びつきがなければならないわけで、当然ながらフォリアドゥは家族内で発生することが多いのだけど、オウム真理教などのカルト宗教場合も、教祖を発端として多数の人に感染した感応精神病と考えることもできるし、以前書いたことのあるこっくりさんによる集団ヒステリーも広義の感応精神病に含めることもある。

この感応精神病、それほどよくあるものでもないが、昔から精神科では知られた現象で、森田療法で知られる森田正馬1904年に「精神病感染」という講演をしている(この講演録が日本での最初の文献)し、その後も今に至るまでいくつもの論文が発表されている。

 
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