若い女性に対する蔑みが今よりずっと強く、かつ一般的だった30~20年前に、彼女たちが初めて手にした「有効な言葉」が「キモい」だったんだよな。メディアが面白がって取り上げて、いい年したおっさんたちが「いやぁ~まいったなぁ~、おじさんキモいっていわれちゃうなぁ~^^」とか、効いてないアピールをし始めた。いままで女子供としてさげすまれて一顧だにされなかった人々が初めて手にした小さな言葉のナイフなんだよ。
しかしもう「キモい」の役割は終わってしまったんだよな。告発すべき問題があるなら具体的に主張する。深刻な問題だからこそ罵倒をSNSに書き込むのではなく冷静な口調で告発する。五ノ井さんは公の場で「幕僚長キモい」とか口走らないわけ。でもこれは誰でもできるわけじゃなくて、「キモい」で味わった初めての小さな勝利から一歩も前に進めなかった人たちもいるんだよな。しょうがないじゃん、人間の能力には凹凸があるもん。そういう人は幼稚な人とみなされて重要な地位には就けない、それが良識ある人々の下すべき判断でしょう。
「キモい」と言われていじめられた人の古傷がうずくからやめろなどという意見もあるが、賛同できない。「かっこいい」とか「かわいい」とか言われていじめられた人だっているだろ、言葉全部狩りつくす気か?
じゃあキモいは奪わないからネットを使うな。 包丁は家の中で使うから許されるのであって外で振り回したら即逮捕だろ。それと同じ。 一人で家の中でキモいと言っとけ。