2024-09-14

人生が救われた瞬間

誰にだって人生が救われたと思った瞬間があると思う。

自分大学生の頃の合コン二次会で行ったカラオケで、自分人生は救われたと思った。


高校生の頃から銀杏BOYZが好きで、特に『駆け抜けて性春』という曲が好きだった。

この曲では終盤にYUKIが入ってくるパートがあり、それがこの曲の切なさを高めている。

アルペジオが始まり、峯田の問いかけにYUKIが答える部分はCDが擦り切れるんじゃないかというぐらい聞いた。

ただ、友達カラオケに行っても、変声期をとうに過ぎた男子高校生YUKIの声が出せるはずもなく、皆汚い裏声YUKIパート合唱するしかなかった。

「いつかこパートを歌ってくれる女の子に会いたいな」と曲が終わった後皆で言い合った。

時は流れ、自分大学生になり、人並みに飲み会合コンをするようになった。

その日の合コン二次会はとにかくうまくいく雰囲気がなく、なかば諦め気味だった。

いつもであれば盛り上げるためにミスチルオレンジレンジを入れていたが、その日はどうにでもなれと思い、『駆け抜けて性春』を入れ、マイクを飲み込まんばかりの勢いで歌い、女子はもちろんだが、男子友達も引いていくのが分かった。

「やっちまったなー」と思いながら、アルペジオの峯田のパートを歌いきり、一息ついて裏声YUKIパートを歌おうとしたところ、端の方でずっとつまらなさそうにしていた女子が突然そのパート完璧に歌い始めた。

呆気に取られていると、「強く」の部分で自分に入るようにジェスチャーで促し、だんだんフェードアウトしていく過程完璧だった。

歌い終わった後、その子の隣に行き、「銀杏BOYZ好きなんですか?」みたいな話をしたが、特に盛り上がりもせず、結局連絡先も交換しないまま別れてしまった。

今となっては名前も思い出せないが、2007年渋谷カラ館自分人生は救われたのだ。

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