2024-06-13

雨が降りしきる日曜日の午後、近所の公園で一匹の小さな猫を拾った

濡れそぼった毛並みと怯えた瞳が、僕の心を掴んだ。家に帰ると、僕は濡れた猫をタオルで優しく拭き、温かいミルクを用意した。猫は警戒しながらも、そのミルクを飲み干した。

この猫、名前ミルクと名付けたのは、その時の出来事からだ。ミルクが僕の家に来たその日から、僕と妻の関係に少しずつ変化が訪れた。

僕たちの夫婦関係は、ここ数年でぎくしゃくしていた。仕事の忙しさや日常些細なことが積み重なり、言葉を交わすことも少なくなっていた。しかし、ミルクが来てからというもの、僕たちは自然と会話をするようになった。

「この子、なんだか落ち着かないみたいね」と、妻がミルクを見つめながら言った。

「そうだね。まだ新しい環境に慣れてないんだろう」と僕は答えた。

その時、妻の瞳に微かな柔らかさが戻ってきたのを感じた。僕たちはミルクを通じて、少しずつ心を通わせるようになった。

ある日、妻が庭で花を育てているのを見かけた。彼女は昔から花が好きで、特にカモミールを好んでいた。しかし、最近ではその情熱も薄れていたように見えた。僕はミルクを連れて、庭に向かった。

カモミール、まだ元気に育ってるんだね」と僕が言うと、妻は少し驚いた表情で僕を見た。

「ええ、でも手入れをさぼりがちだったから、ちょっと心配だったの」と彼女は微笑んだ。

僕はその時、妻の好きな花と同じように、僕たちの関係も手入れを怠っていたことに気づいた。ミルクがその間に割って入り、僕たちの心をつなげ直してくれたのだ。

ミルクカモミールの花に興味津々で、鼻を近づけて匂いを嗅いでいた。その姿を見て、僕たちは自然笑顔になった。ミルクが花に触れることで、僕たちもまた新たな気持ちでお互いに触れ合うことができた。

「ねえ、最近また花を育てるのが楽しくなってきたわ」と妻が言った。

「そうだね、ミルクのおかげだね」と僕は応えた。

ミルクが僕たちの家庭にやってきてから、僕たちは少しずつ日常の中で小さな幸せを見つけることができるようになった。夫婦の会話が増え、家の中に笑顔が戻ってきた。

カモミールの花が風に揺れるたびに、僕たちはミルクのことを思い出し、お互いへの感謝気持ちを深めていった。ミルクカモミールは、僕たちの新しい生活象徴となり、再び愛情理解を取り戻すきっかけとなった。

そして今、僕たちの家庭には、ミルクと一緒に咲き誇るカモミールの花が、僕たちの愛を見守っている。

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