俺は20歳頃からとある趣味をやっていて、趣味が高じてたくさんの人から褒められたし、お小遣いくらいなら稼げた。もしかしたらこのまま続けていればもっと褒められてもっと金が稼げるかも、客観的に見て俺って才能あるかもなと自惚れていた。
しかし精神障害を患って、趣味どころか生活も破綻した。趣味も仕事も恋愛も全てを失った。そしてこの障害は遺伝性のものなので、多少良くなることはあっても、永遠に完治することはないらしい。
出された薬ちゃんと飲んだし朝散歩とか規則正しい生活とかバナナ食べたりとかできることは全て試した。だけどなにもよくはならなかった。それどころか年を重ねるごとに状態が悪くなっているような気さえする。
今は障害年金を受給している。もともと自分は健常者どころか人より才能があって未来が明るい特別な人間みたいな自意識があったから、ずっと落ちぶれた自分のことが許せなかった。
だけど今日とある出来事があってやっと理解したよ。俺はいつまで経ってもなにをやっても120%の努力をしても人並みにもこなせないゴミ人間なんだと。自分は本当にどうにもならない障害者だと言うことを受け入れて、静かにできるだけ誰にも迷惑をかけずに生きていくことにする。一体そんな人生を生きることに何の意味があるのかはわからないが。