2023-07-03

ツイ廃のいま

これではっきりとわかった。Twitterに生きる者は還るべき現実を失っている。

  

日曜。暗い部屋で独り、動かない空っぽのTLを眺める。彼らは、依然として弱い紐帯の強みにしがみつく。それ以外に喪失を埋める術を持たないためである

  

彼らはTwitter注釈なしで現実を見られない。現実引用するTwitterは確かに現実的であり、それこそが彼らの現実であった。

日の出来事は一時的処置であるとはいえ、彼らにとってはハルマゲドンであった。彼らの世界は突然に滅んだのだ。

  

それからは単調である

まずは否認し、つぎに怒りに震え、さらに他のサービス代替しようとし、やがて喪失確信し、最後絶望する。受容までの道のりは険しい。さながら、帰らぬ伴侶を想う未亡人のように、自身偏執さを呪い無能を悔やみ、人生で一番つまらない日曜を過ごす。

  

翌日には、ぼんやりと死人の顔をして出勤する。そこは浮ついた偽物の世界であるフィルタのないタバコを吸って咽せるように、彼らはまだ冷たく動かないTLに逃避する。

  

宇宙空間で声は聞こえない。辛うじてクルー無線が届くばかりだ。しかしそのクルーも姿が見えない。宇宙ではぐれれば、もはや会うことはない。孤立無縁で宇宙に漂うことになれば、最期は寒さと飢えに喘ぎながら死ぬ運命だ。

  

いつか全てを失うのではないか

震えながら疑問を飲み込む。しかし、もう戻れない。

それが彼らの今である

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