なんでも通りすがりにぶつかってくるおじさんのことを指すらしい。
へぇそんな悪質な人が居るんだなと思う反面、最近田舎から東京に引っ越してきた自分としては「それっておじさんだけなのか?」と思うところもある。
東京駅が常に混雑しているのは仕方がないとしても、歩いていてこちらに真っ直ぐ向かってきても一向に避けようとしない。
それはおじさんに限ったことじゃなくて、というかどちらかといえば若い女性に多い。
すれ違い様、明らかに避けないと肩がぶつかる。
そんな状況でも相手は一切身体を避けず、真っ直ぐに堂々と歩みを進めてくる。
こちらが寸でのところで身体を翻して避ければ、向こうは何事もなかったように前だけを見て歩き去っていく。
何だかこちらばかりが気を使って損をしている気になって、卑しくも悔しくて、そこで一度実験してみたんだ。
避けないと、どうなるかって。
するとぶつかった。簡単にぶつかった。当たり前のことだ。相手も避けなかったんだから。
肩がぶつかり、相手は”信じられない!”と言った具合に目を見開き、その場で数秒足を止めて私のことをにらみ付けてきた。
そのあと何事もなかったようにスマホに目を落とし、忙しなく指を瞬かせながら足早に去っていた。
このような投稿を俺は昨日の土曜に行っていて、ブクマが三つ付いていた。
当然だよな。
だって投稿していたのは夢の中で、俺は夢の中の投稿を思い出して、今ここでこうして実際に投稿しているわけで。
でも夢の中で俺は確かに現実に起こったことをそのまま記事にしていて、でも俺が夢で見たのは増田での投稿したこの記事のみだ。
俺は夢の中でブクマが付いたこの記事のことを見たはずで、この記事の内容自体は実際に体験したわけでもないのに(ただ単に投稿した記事のことだけを覚えているのだから)それでも俺はこの記事の内容を何故か”現実のこと”のように感じられるし、体験していないのに体験したことのあるような気がしている。
記事の中にある回想の思い出を追体験したような夢を見たわけでもないのに、俺はそれを夢でありながら現実のようにも感じてしまっている。
縞模様のワンピース。身長160センチほど。おそらく20代で、上白石萌音似の女性。
彼女は俺が避けないとぶつかってきて、信じられないといった大きな目を俺に対して向けてきた。
俺はそれを夢の中の記事を見ただけで実際には記憶にないはずだが、俺はそれを覚えている。
俺は疲れ過ぎているのかもしれない。
露と落ち 露と消えにし 我が身かな ブクマのことは 夢のまた夢