私が読みたいのは、大きな物語というか、今までに見たことのない驚きのある結論を持つ物語であり、
SFというジャンルが好きなのも、物語のフレームとして、そうした驚きある結論へのシラバスとなりやすいからというだけ。
だから、そこに登場する仰々しいギミックには、そうした結論への素材以上の興味が持てない。
それは、大きな定理を導く一過程にしか過ぎず、その導出の自然さに納得したら、あとは忘れてしまうようなもの。
だから、数学書はなるべく短い方が読みやすいように、SFも「オッカムの剃刀」的に、ギミックは少ない方がむしろ好み。
同じ結論をもたらす物語なら、ギミックが少ない物語の方が読みやすいわけであり、個人的には素晴らしいSFだと感じる。
あと、キャラクターについてもそう。
大きな物語のためなら、別にキャラクターはどんな目に合っても構わないと思っている。
(それは逆に、物語にコミットしないキャラクターの悲哀は描かない方がよいと個人的には思っている、ということでもある。)
キャラクターは、驚きある結論に仕える舞台装置としか思えないので、先の仰々しいギミックと同じ意味で、興味が持てない。
ギミックもキャラクターも、面白い物語を成立させるための具材でしかないと、個人的には思ってしまう。
それゆえ、自分でもこうして、増田などに自分で考えた文章を多々投じているのだが、毎回、ギミックやキャラクターが無い文章を書いているなぁと思う。
ただ、それでもある程度はブックマークしてもらえるので、そこを見直そうという意欲は薄いのだが、
そこを押さえたら、もっと幅広い人に読んでもらえる文章になるんだろうなとは思う。
なので、今年はギミックやキャラクターに舞台装置以上の興味(好奇心や愛情というのか)を持って、文章を読んでいきたい今日このごろ。
いつかは、こういう散文でなく、流れある小説を書いてみたいと思うので、そういうところも押さえいくようにしたい。