インフレ沈静化の兆候を受けて、投資家は約8カ月ぶりの急ピッチで株式に回帰した。だが、企業利益へのリスクと米連邦準備制度の断固たるタカ派姿勢によって、相場の反発は失速するだろうとバンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジストは警告した。
BofAがEPFRグローバルのデータを引用したリポートによれば、16日までの週には世界の株式ファンドに229億ドル(約3兆2000億円)が流入した。10日発表の10月の米インフレ率が予想を下回ったことで、米連邦準備制度が利上げペース減速を示唆する可能性があるとの見方が浮上した。
しかし当局者らは利上げ継続の方針を示し、相場は上昇の勢いを失った。マイケル・ハートネット氏らストラテジストは米金融当局の政策転換を来年6月か7月と見込み、それ以前の政策緩和を期待するのは「大きな誤り」だろうと論じた。
連邦準備制度のより早い姿勢転換がないとすれば、「弱気相場の中の反発の大半は既に終わった」と17日のリポートで指摘した。
BofAのストラテジストは、「皮肉なことに」インフレが後退しても企業利益への圧力は続くとの見通しを示し、2023年前半は債券を保有することを勧めた。株式は年後半に魅力を増すとみている。
BofAによれば、16日までの週に世界の債券ファンドには42億ドルが流入。マネー・マーケット・ファンド(MMF)は37億ドルの流出だった。欧州株ファンドからは40週連続の流出で、過去最長の流出だという。