再現のしようがない"アナログ感"が若い世代に受けているとか。
安いやつであれば新品が1万円以下で売ってあって、子供のお年玉でも買えた。
そんなお買い得価格にもかかわらず再生ができれば録音もできる、ラジオも聴けると最高のお役立ち家電だったのだ。
ところがこの「録音ができる」機能により、当時の誰しもが必ず一度か二度は味わう悲劇があった。
録音を行う際は「録音ボタン」を「再生ボタン」と同時に押しながら行うのだけど、
お気に入りの曲が入ったカセットテープを再生する際、つい誤って録音ボタンまで押してしまい、
意図せず録音モードにしてしまうという事故をときに起こしてしまうのだ。
当人はそんなことをしでかしているつもりは毛頭なく、しばらくはその事故に気づかない。
ところが、いつまでたっても曲の再生が始まらないことに疑念を持ち、ふっとラジカセを見る。
すると録音ボタンと再生ボタンの両方が押されている光景が目に入り、
思わず「アーッ!!」という声を上げながら慌てて停止ボタンを押すのだ。
聴き返してみるとしばらくの無音の後、自分のビックリするくらい違和感のある声で「アーッ!!」という声が再生された後、
そしていそいそとカセットテープの"ツメ"を折る。
(カセットテープの下部には"ツメ"のようなものがあり、これを折ると録音ボタンが押せなくなる機構が備えられていた)
こんなものが良いなんてね。
クリアな音質で誤爆の心配もないデジタルガジェットのほうが良くない?
ま、価値観なんて人それぞれだけどな。