投票に行かない理由として、「自分が投票してもしなくても、結果は変わらない」と言う人がいる。
確かに、あなたの一票は「当選結果」には影響を与えないかもしれない。しかし、選挙結果というのは決して候補者の当落だけではないのである。
というのも、身の回りに与党関係者が居ればよく分かると思うが、与党というものは選挙があってもなくても、常に世論の動向を気にしている。
マスコミが定期的に発表する世論調査の結果はもとより、与党が独自に金をかけてする調査だってある。いわゆる観測気球なんてのが存在するのも、そうした報道がどう受け止められたか、政治家が非常に気にしていることがよく分かる。
どんな政策であっても反対意見が世論に目立つようであれば、事を慎重に進め、それ以上支持率が下がらないよう、与党も気を付けているのである。
だから、あなたが今の与党にブレーキをかけたいと思うのなら、選挙では与党以外の候補者に投票すべきなのである。選挙とは当落だけでなく、その票差にもメッセージを込めることが出来るからだ。
仮に与党とその他の票差が縮まれば、与党としては慎重に行動せざるを得ない。逆に大差がついて圧勝してしまえば、あらゆる全権を委任されたと解釈し、彼らは意のままに事を進めようとするだろう。
(だから私は、何を重視・信託して投票したのかを明らかにする出口調査の類は、きちんとやって報道しておくことが必要だと思う)
私が選挙のたびに驚くのは、そのことに気づいていない有権者が多いことだ。
あなたの考えと同じ色の候補に投票するだけが、選挙ではない。白すぎる白には黒を、黒すぎる黒には白を投票箱に投げ入れ、この社会をちょうど良いグレーに染めよう。