マグロ人工肉の開発を手掛ける米国のスタートアップ企業、フィンレス・フーズ(本社・カリフォルニア州)が植物由来のマグロ風味食品の開発に成功した。来年にもレストランやフードサービス分野への販売を目指す。「植物から作られたマグロ」は本来のマグロ肉など動物性成分を一切使っておらず、ベジタリアンや水産物にアレルギーがある人でも食べることができる。
同マグロ肉は植物を加工し、味付けすることでマグロの食感と味を創出したもの。生マグロに近く、刺身や寿司、ハワイ風丼のポキなど幅広く使用できる。
同社は2016年に設立。17年には魚の細胞を使ったマグロ魚肉の生産に初めて成功した。当初は細胞由来の魚肉開発に注力していたが、開発の過程で植物成分が重要な役割を果たしていることに着目。まずは植物由来のマグロ肉の生産、販売を手掛ける方向にかじを切った。
植物由来の水産物の世界市場は今後10年間で年率28%の驚異的な成長を見せると期待されている。背景には、持続可能な食事行動や海洋環境への注目が高まっていることがあり、代替肉や植物由来の人工肉製品市場は既に数十億ドル規模に成長しているという。