いつ頃からそうするようになったのか自覚は無いが、気づいた時には既に習性と云うかクセが身に付いていた。どうせ、パイナップルARMYとかMASTERキートンとか、漫画の影響であろう。
とにかく、履物を身に付けていても脱いでいても、そうなってしまう。
そのせいで自宅では、妻の背後に気づかれないように立つ形になってしまい、結果的に彼女をビックリさせてしまうことが度々ある。妻よ、すまぬ。
職場でも似たようなことは度々あるが、これは別にすまぬとは思わない。一度も思わない。
別に殺し屋稼業を目指していた訳でも、ましてや開業している訳でも無いので、このクセが役に立つことは特に無い。
その逆に、損をすることは、まま有る。
私は一度、街中を歩いていた時に、見知らぬ女性から裏拳を顔に当てられた経験が有る。その女性が一緒に連れ立って歩いていた子供―――おそらくは彼女の子供であろう―――に「こっち」と歩く方向を示そうとして、腕を伸ばしながら振り向いたところ、たまたま通りかかった私の顔に彼女の裏拳が当たった形だろうと思う。何にしても、彼女に悪意が無かったことだけは明らかであった。
私の顔に見事な裏拳を当てた女性は、ポカンとした顔をしたままで何も言葉を発しなかった。私としては、彼女の方から「あ、すいません」とでも軽く言ってくれれば、別に肉体的なダメージも無かったので「あ、大丈夫ですよ」と軽く返す準備はできていた。
しかし、彼女は一言も発することなく、ただ私の顔を見るだけであった。
五秒、十秒―――と頭の中で数を数えながら待った。しかし、何も起きなかった。彼女が何も言わないぐらいだから、連れていた子供も何も言わなかった。無理もあるまい。
これは待つだけ無駄だな。そう理解した私は、何も言わずにその場を後にした。足音を殺す癖は有るのに、不意打ちの裏拳を躱す癖を身に付けていなかった。私が迂闊だったのだ。そう思えば済む話だ。
こういうことは度々あった―――と言うか、今もある―――ので、特に腹が立つ話でも無いが、流石に何も言わずリアクションも無しと云う例は此れだけなので印象に残っている。大の大人が何も言えずに固まる姿というのは、少し滑稽で笑いを誘うところがある。その場にもう少し留まっていれば、私は笑い出していたのではないだろうか。
一つだけ心が痛むのは、彼女が連れていた子供のことである。身近な大人が、何かしらミスを犯したのにも関わらず「すみません」の一言も言わないと云う場面を見せるのは、子供にとっては「私たちに道徳を説くのに、大人は自分で実行できないの?」と、大人に幻滅する切っ掛けになりかねないからである。
できていれば良いな。
電気自動車でも音出して歩くからね。増田は電気自動車以下だね。
明日からは奇声を発しながら歩くよ。 「キョッキョッキョッキョッ」 「ホアッホアッホアッホアッホアッ」 どれがいいかな。
なぜか知らんが、歩くたびにケキュッケキュッと靴から音が鳴る。幼児か
同じだ。木造の階段上がる時も足が着地するタイミングでちょっと浮かせて足音殺すのが癖になってる。他人にドスンドスン歩かれる音も苦手。
ついでに言うと扉も最後までドアノブ持って閉めるし、声も小さい
これぞ狭小住宅むけ人材なのでは 苦情言われないからいいとおもいます