2021-01-12

anond:20210111120312

プロ作家でも作風なんて大体どんどん変化するし、なんならデビュー作で出し切ってしまって後はひたすら後退していくだけって作家もいる。で、基本的には〈元には戻らない〉。なぜそうなるかというのは大体想像がつく。「最初スタイルに満足できないからこそ変化した」わけだし、そんな風に「あるスタイルに満足できず変化する」ことこそが才能だからだ。


しろ商売でやってる場合の方が、作られたスタイルをなぞり続けるというやり方でずっと変化しないという可能性がある。たとえばとある世界で売れている”大物海外アーティストは、何十年も「レコードそっくりの歌い方」でライブを続けている。自分たちに求められているものが何かを完璧理解しているから、まだ20代の青臭いガキだった時代の曲調、演奏法、歌い方を40代になってもそのまま完コピして演じて、それをみんなが喜んで見ている。それは商売からだ。アーティスティック活動とはまた別の話だ。


そもそも才能に任せて書いていた素人が、書く事を中断せざるを得ないようなトラブルを経て、それで帰ってくることの方が稀なのだ。その人は確かに書かずには折れない人で、そして確かに才能があるんだろう。その才能があるなら、また新たな境地に至るかもしれない。それは、最初の若々しい伸びやかな才能とは違ったものかもしれないけど、様々な経験を踏まえたもっとすごい何かかもしれない。そう期待して、しばらくは温かい目で見守るのがいいんじゃないかな。

記事への反応 -
  • 何年か前の話、たまたま目に入ったブログの文章が好きで更新されるたびに読んでいた。 それを書いていた人はまだ若く、自らについて十代の後半ぐらいと語っていた。そして、俺は自...

    • プロの作家でも作風なんて大体どんどん変化するし、なんならデビュー作で出し切ってしまって後はひたすら後退していくだけって作家もいる。で、基本的には〈元には戻らない〉。な...

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