身内が政治厨になった。
4歳上の、アラフォーの兄だ。
最初は家の中で政治の話をしているだけだった。私は兄に対しては大人しい妹だったから、話しやすい相手だと思われたのかもしれない。
家の中とはいえ、口を開けば「社会が悪い」「韓国は敵だ」「売国奴が」等という言葉を並べ立てる兄の姿は、見ていて薄気味悪いものだった。
最近はエスカレートして、そういったことを外でも大声で話すようになった。それが私には耐えられない。
昨日は核武装をすべきだと熱く語られた。まあ、国を守るために武力が必要なのは事実だろう。しかし本当に国を愛しているのであれば、武力衝突は可能な限り避けるべきだし、戦争は最終手段なのではないかと思うのだが、兄はどうやら本気で韓国を始めとした(彼が思うところの)敵国を相手に、自分から戦争を仕掛けて打ちのめす妄想をしているようだった。
今ではすっかりおかしくなってしまった兄だが、幼少期は成績優秀で、典型的な育ちのいい子供だった。私に対しても優しかった。
うちはそれなりにお金を持っていたから、周囲と比べて、それなりにしっかりとした教育も受けたと思う。
兄が急激におかしくなったのは、10年前に父が亡くなってからだ。
兄は父に期待されていたから、その期待の大きさと現実とのギャップに悩んで、その矛先を外側に見出したのかもしれない。
それでも、私が兄のコンプレックスのはけ口にされるいわれはないと思う。
いつか優しい兄に戻ってくれるはずだと待っていたが、その兆しもない。
雑過ぎる