そういうことはいずれは、(数学科なら)いざとなったら分かるレベルにならないといかんが、大学一年生がやって実りあるものとは思えない。
理学系にいくにせよ工学系にいくにせよ、教養の数学でやるべきなのは、高校の微分積分の復習をしつつ、
のような基本的な結果をしっかり理解して使えるようになることじゃないだろうか。
こういうものを示すのには実数の連続性を厳密に定式化しなければいけないが、一年生相手にわざわざ「デデキント切断に順序構造を導入して」などとやらずとも、
というワイエルシュトラスの定理を認めれば十分である。これはデテキント切断による実数の特徴付けと同値であり、他の命題を示す際にも扱いやすく、直感的にも理解できる。
思うに、あらゆることを厳密にやるのが大学数学の「伝統」や「洗礼」などと言った価値観を持っている人が多い気がする。もちろん、それは一面では正しいし、高校数学までは曖昧だった部分がはっきりすることに喜びを感じる学生もいるだろう。しかし、たいていの学生は、数学が嫌いになるんじゃないだろうか。
数学が嫌い、とかいう人間が大学数学が必修になるような学科に来ているのが間違いだろ……。 そんな検討は高校生までに終わらせておけ。 そしてお前の考えるような対策も、高校...
実数論は、ワイエルシュトラスの上限定理またはコーシー列の収束性を公理として認めるのが実際的と思う。 実数の構成については、デデキント切断ではなく、有理数の絶対値による完...
ちょうど、整数から有理数を構成するのは、一般の環論で整域の商体を扱えば、その例として挙げれば十分というように。
わたくしは平成15年に東京大学の教養学部で、教養の微分積分と行列を学びましたが、その時代の駒場の数理科学研究科には 実数論の公理について日本人の学生に十分に教えられ...