しかしこれから人間が就ける仕事の総量は機械化や人工知能の発達に伴い、次第に減少していくことが明らかです。
仮にすべての教育が無償化されたとしても、進学・受験の過程でより強力に教育資本を投入できる富裕層の絶対的優位は揺るがないでしょう。
機械化の対称軸として、理想的な高度人材として求められる素質が個性的な発想や創造性にシフトした場合、文化資本の少ない貧困層はなおさら不利になります。
従って、貧困層は技術発展を支える高度な職業に就くことはできず、ごくわずかな例外を除いては、将来的に機械に置き換わる単純労働しか行えません。
また、高度人材であってもいわゆる士業など、前例に基づいた判断と知識が大半を占める頭脳職はやがてソフトウェアに置き換えられ、彼らもまた職を失うでしょう。
そこで問題ですが、このような状況においてベーシックインカムや生活保護をはじめとする生活保障を除いて貧困層の生命を維持する方法がありますか?