はじめまして。こうしてあなたにコンタクトを取るのはあなたと彼女をひどく傷つけたあの時以来になります。あの時のことをあなたに謝るべきなのかどうか、時間が経った今も私にはわかりません。きっと謝るべきなのだろうと思います。あなたが今どうしているかわかりませんが、あの出来事はあなたという人間を損なうに十分な出来事であったと思っています。しかし同時に、あなたが全く損なわれていなければいいなと思います。あなたのためでなく、あなたにとって彼女がその程度の存在であったならという願望ですが。
本当のことを言うと、私はずっとあなたと話したかったです。同じ女を愛している男同士、親近感すらありました。彼女の心はあなたにあって、彼女の体は私にありました。私にはそれがとても辛いことでしたが、真実を知った時あなたもとても辛かったでしょうね。
あなたと私には共通の酒のツマミもあります。彼女には私の前にもただの友人ではない男友達がいました。体の関係があったのかなかったのかも彼女は教えてくれませんでしたが、部屋に頻繁に行っていたようですから多分あったのでしょう。あなたもご存知の通り、彼女から自分が言いたくない話を引き出すことは困難ですし、彼女はいとも簡単に自分自身の記憶を書き換えてしまうから推測すら成り立ちません。ソフレだった可能性もありますが、彼女の性欲でそれが続く気もしませんね。
彼女は今ひどく苦しんでいます。私のことを深く恨み、あなたと元に戻りたいと願っています。
これは事実ですが、これを聞いてあなたは彼女がどういう日々を送っていると思うでしょうか。きっと自分磨きをしたり泣いたり友達に慰められたりしていると想像するのではないでしょうか。
それは間違ってはいません。そのどれも彼女の生活の一部です。一方で彼女らしく、あれからも俺に連絡を取ってくることもありますし、何度も体の関係を持ちました。あなたにとってこれは彼女らしさではないかもしれませんが、私にとってこれは如何にも彼女らしい行動です。こうして我々はお互いに一人の女を愛していながら、別々の側面を見てきました。
もっとも、それももうすぐ終わりそうです。私に限界が来てしまいました。私は今でも彼女を愛していますが、どうやらもう耐えられそうにありません。今はうまく友達になれればいいなと思っています。もっとも、彼女ほど友達として不適切な女性もいないでしょうが。
というわけで、あなたと同じように私もこの泥沼から望むと望まざるに関わらず抜け出します。心残りはあなたと話せなかったことです。いつかどこかの飲み屋で偶然にも居合わせることができたら語り合いましょう。さようなら。